生理が来ない・遅れる、多い・少ない・・・生理にまつわる悩みの原因と対策
女性にとって、生理の悩みはつきものですよね。
生理不順や出血量の多い・少ないなど悩みは人それぞれですが、多少問題があっても「まあいいか・・・」と放置してはいませんか?
今回は、生理の基礎知識とよくある悩み、その原因についてご紹介します。
自分の症状の原因が何なのか、深刻な病気の可能性はないのか、一度確認してみましょう。
生理の基礎知識
まずは、生理の仕組みを簡単に復習してみましょう。
卵子と精子が結びつくと「受精卵」になり、それが着床すれば妊娠が継続します。
子宮の壁の内側には妊娠に備えて「子宮内膜」が作られますが、受精卵が着床しなければ子宮内膜は剥がれおちます。
子宮内膜は子どもを育てる布団のようなもので、妊娠に至らなければ無用になって排出され、これを「生理」「月経」と呼びます。
生理は約一週間続き、だいたい28日程度のサイクルをとりますが、これには個人差があります。
生理期間は3~7日程度、生理周期は25日~38日程度なら正常と考えられています。
つまり、「先月は25日で来たけど、今回は35日間もこなかった」「いつも3日くらいで生理が終わってしまう」という人でも、まったく異常ではないのです。
生理が来ない
生理が来ない原因のひとつには「妊娠」があります。
受精卵が着床して育っているのであれば、生理は来ません。(まれに着床出血などを伴うことはあります)
ただ、「妊娠する心当たりがないのに生理が来ない」なら、体の異常を疑いましょう。
ホルモン機能の低下による「無月経」
生理不順と言われる症状は、90日間続くと「無月経」に分類され、大変危険です。
妊娠以外で生理が来ない原因として一番可能性があるのは「ホルモン機能が著しく低下していること」です。
生理はホルモンの作用を強く受けるので、これが正常に働いていないと生理が止まってしまうことがあるのです。
無月経を放置しておくと「排卵障害」にまで進み、不妊の原因になるなどさらに状況が悪化します。
生理が頻繁に来すぎる
生理が来ないことも困りものですが、逆に生理が早く来すぎることもあります。
不正出血を伴う「頻発性月経」
頻繁すぎる生理は「頻発性月経」と呼ばれ、子宮内膜や卵子の未成熟さが原因になることがあります。
頻発性月経は単に「生理が早く来すぎる」というだけでなく、しばしば不正出血を伴います。
一度来た生理がなかなか終わらず、一週間以上も経血がみられることもあります。
頻発性月経も、多くの場合ホルモンバランスの乱れが原因です。
頻発性月経と無月経はまったく逆の事象のようですが、原因は共通している部分も多く、頻発性月経から無月経に至ることもあります。
経血の量が多いのは病気の可能性も
このような場合は、いったい何が原因なのでしょうか。
経血の量が多すぎる人は、まずは病気を疑いましょう。
女性ホルモンは大切なものですが、大量に分泌され過ぎると「子宮内膜増殖症」という病気と診断される場合があります。
また、女性の病気としてメジャーな「子宮筋腫」や「子宮内膜ポリープ」も出血を伴う病気です。
さらに、子宮頸がん・子宮体がんなど命に関わる病気の可能性も考えられます。
胎児は通常、子宮で育ちます。
しかし着床したところが子宮ではなかった場合、胎児はそのまま育つことはできません。
「子宮外妊娠」と呼ばれるものなのですが、これに気づかずに放置していると、出血と痛みが襲ってくることもあります。
また、実は妊娠していて、本人がそれと気づかないうちに流産をしていた・・・という場合も出血が起こります。
生理には個人差があるため、ある程度の出血量があったとしても、それが必ずしも「異常だ」とは言い切れません。
ただ経血の量が多すぎる場合は、一度病院を受診しましょう。
万一、癌など病気だった場合には早期発見と早期治療が大切です。
経血の量の原因を確かめることによって、重い病気の発見につながるかもしれません。
経血の量が少ない場合は自分の年齢をまず考える
では逆に、「経血の量が少ない」というときは何を疑えばよいのでしょうか。
経血の量が少ない場合は、「年齢」がポイントになります。
30代以降なら、それは閉経の前段階かも
生理は一生続くものではなく、あるタイミングで「閉経」を迎えます。
閉経を迎えるタイミングは人それぞれですが、一般的なのは50代にさしかかった辺りです。
閉経は、ある日突然生理が来なくなるわけではありません。
前段階として徐々に経血の量が少なくなっていって、ある時から見られなくなる・・・という経緯を辿ります。
人によっては、この「閉経の前段階」が30代から始まることがあるのです。
特に「量が少ないだけでなく、周期も狂い始めた」という場合は、このような「閉経の前段階」である可能性があります。
年齢が若い場合は卵巣の未発達が原因かも
年齢が若い場合は、逆に卵巣が未発達であることが原因かもしれません。
10代の頃を思い出してもらえば分かると思うのですが、この時期というのは、体とホルモンバランスが非常に不安定です。
そのため
という場合もあり得ます。このような、ホルモンバランスの不安定さ・未発達ゆえに起きる過少月経は、多くの場合は10代のうちに治まります。
ただ、まれに20代前半の人にも起こる症状ですので注意しておきましょう。
過剰なダイエットやストレスは生理不順を招く
ここまでさまざまな生理のトラブルについて見てきましたが、それらに共通した原因もあります。
生理不順の原因として共通するのは、「卵巣に負担をかけること」と「ストレス」です。
20代~30代の場合、スタイルを保つために過剰なダイエットをする人がいますよね。
厳しい食事節制を伴うダイエットをすると、人間の体は飢餓状態から命を守るために「現状で必要のない体の機能」にエネルギーを割くことをやめてしまいます。
生理は次世代に命をつなぐとても大切な機能ですが、飢餓状態の元では自分自身の生命を守るために、体は生理を止めてしまうのです。
また、生理がホルモンバランスの影響を色濃く受けていることは先ほど述べた通りですが、このホルモンバランスをたやすく崩してしまうのがストレスです。
過剰なストレスによって生理が止まることは、女性にとって珍しいことではありません。
また、ストレスによって引き起こされる睡眠不足が、体のさまざまな器官に異常をもたらし、ホルモンバランスをさらに狂わせる悪循環を作り出します。
生理は千差万別です。
そのため、多少量が多くても、多少周期がずれていても、何も問題がなかったという人もいます。
しかし健康を守るために、気になる異常があるのなら病院に受診する習慣をつけた方がよいでしょう。
それと並行して、
- 過剰なダイエットはやめて、バランスのよい食生活を心がける
- ストレスから身を守る
- しっかりと睡眠をとる
という、ライフスタイルの見直しも行っていきたいものです。
Writer / 鍋谷萌子
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タグ:生理