美容体重、健康体重、長寿体重は何キロ?あなたが目標にすべき理想体重「BMI指数」の計算式
「体重」は、人間の美容だけでなく、健康にも影響を及ぼすものです。そのため、体重をコントロールすることは非常に重要。
特に女性の場合は、体重を気にしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、太り過ぎもやせすぎも、実は体に悪いもの。
今回は、「美容体重」「健康体重」「長生きできる体重」についてお話していきます。
適正な体重を知る上で「BMI指数」というものが一つの指針となります。今の自分の体重と、理想とする体重を思い浮かべながら読み進めていってください。
理想体重の指針となる数値「BMI指数」の求め方
かつては、身長から110(100)を引いた数で体重の指針を決めていました。
しかし現在は、“BMI指数” という求め方が使われています。
BMI指数の歴史は意外なほど古く、1835年にはその表記が使われ始めるようになりました。
統計学を利用して、ベルギーの数学者 “アドルフ・ケトレー” が作った数字であり、体型を決める数字の基本となっています。
BMI指数は、体重(kg)を、身長(m)×身長(m)で割った数字で求めます。
この求め方は、年齢や性別、生活パターンなどには左右されません。
たとえば、身長が180cmで体重が80kgの男性の場合は、以下のような計算式になります。
80(kg)÷1.8(m)×1.8(m)=24.7
身長が165cm、体重が60kgの女性の場合は、以下のような計算式です。
60(kg)÷1.65(m)×1.65(m)=22.2
(いずれも、結果については小数点以下四捨五入)
BMI指数による体型の判断
さて、このようにして求められるBMI指数は、以下のような基準で体型(肥満度)が判断されます。
BMI指数 | 体型(肥満度) |
---|---|
18.4以下 | やせすぎ |
18.5~24.9 | 普通 |
25~29.9 | 肥満1度 |
30~34.9 | 肥満2度 |
35~39.9 | 肥満3度 |
40以上 | 肥満4度 |
癌が5段階のステージで進行度を分けられているように、肥満も上の表のようにBMI指数によって1度、2度と深刻度が決められています。
肥満1度のほうが軽い肥満で、数字が大きくなるにつれて肥満の度合いも深刻になっていきます。
ただしこれらの体型判断は、決して統一されている基準ではありません。
「18.4以下」を「やせ形」、「18.5~24.9」を「普通」、「25~29.9」を軽度の肥満とする見方は大方で共通していますが、35以上の場合は差別化しないケースもあったり、国ごとで判断がかわったりします。
またBMI指数の基準を見ると、「普通」の範囲が非常に広いのがわかるのではないでしょうか。
上の例であげた165cmの女性の場合、体重が50.4kgでも「普通」ですし、67.8kgでも「普通」なのです。
「美容体重」は何kgくらい?
そもそも、美容体重とは多くの女性が目指す綺麗な体型に見えるときの体重のことです。
一般的に美容体重とはBMI指数が20の時と言われています。
身長165cmの女性で言えば、美容体重54.5kg程度の状態です。
自分の美容体重は以下の計算式で算出できます。
美容体重(kg)=身長(m)×身長(m)×20(BMI値)
モデル体重だと不健康になる可能性が高くなります
「モデル体重」と呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか。
これはBMI指数が18のときのものであり、テレビに出てくる芸能人や雑誌に出てくるモデルなどはだいたいこれくらいの体重だと考えられています。
計算式は以下のとおりになり、美容体重のBMI値を22から18に変えたものです。
モデル体重(kg)=身長(m)×身長(m)×18(BMI値)
ちなみに身長165cmの場合は49kgです。
健康に配慮して考えるのであれば、一般人が目指していいのは、せいぜい「美容体重」までだということがわかります。
あとで詳しく触れますが、体重と寿命(健康)には非常に密接なかかわりがあります。
やせすぎは死亡リスクや健康を害する可能性を増やしてしまうからです。
最も病気になりにくいBMI指数は22!
では、「健康的な体重」というのはどれくらいを言うのでしょうか。これには明確な数字が出ています。
人間はBMI指数が22のとき、最も病気になりにくいと言われています。
身長165cmの女性であるのなら体重が59.9kgのとき、身長が180cmの男性であるのなら71.3kgのときです。
最も病気にかかりにくいと言われている「BMI指数22」は、BMI指数の「普通」のなかでも、ちょうど真ん中に位置する数字であることも興味深いポイントです。
「病気のなりやすさ(疾患指数)」で考えた場合、グラフはBMI指数22を最も低いポイントとしJ字曲線を描きます。
痩せ型の人は病気になりやすいですが、BMI指数が30を超えた時点から有病率は急上昇します。
美容と健康を考えるなら、BMI指数20~22程度の間で調整するのが理想的だと言えるでしょう。
一番長生きするのは小太り体型の人
実は、「病気をしにくい体重」と「長生きできる体重」はイコールではありません。
寿命とBMI指数の関係性について研究すると、「BMI指数が25~29.9のときが最も長生きする」という結果が出ているのです。
これは数多くの研究で立証されていますが、研究結果には少し差があります。
「BMI指数が25~29.9の層が一番長生きをしたものの、普通体重のときとほとんど変わらなかった」とするものもあれば、「普通体重のときよりも、BMI指数が少し高めの層の方が6%も死亡リスクが低かった」とする説もあります。
日本国内だけでなく、海外でも同様の結果が得られていることから、この研究は極めて信憑性が高いものであると言えるでしょう。
ただし、これはあくまで「小太り」「肥満1度」のときの話。
太りすぎてしまうと、普通体重のときに比べて死亡確率は高くなりますが、「やせすぎ」のときよりは死亡確率は低い状態です。
健康と美容、両方をクリアできるBMI指数の値とは
このようにして考えていくと、健康や美容によい体重というのがわかってきます。
「美しくて健康な体」を作りたいのであれば、BMI指数20~22の間で調整することが望ましいです。
「健康的で長生きできる体」を作りたいのであれば、BMI指数22~24.9までの間で調整するとよいでしょう。
身長が165cmの女性が美しく健康な体を作りたいなら54.5~59.9kg、健康的で長生きできる体を作りたいなら59.9~67.8kgということです。
どちらの体重を目指すのが正しいということは、はっきりと言えません。
ただ、太り過ぎもやせすぎも体に悪影響を及ぼすことはたしかです。
特に、過剰なダイエットは体によくありません。寿命や健康のことを考えて、体重をコントロールしていくことが大切です。
ちなみに、最も望ましい体重コントロールの方法は、「運動を生活に取り組むこと」だと言われています。
運動をすることはストレス解消にもなりますし、筋肉をつけることにも役立つでしょう。
筋肉は非常に効率よくカロリーを消費しますから、やせやすい体を作ることが可能です。
食事制限だけでやせるのではなく、運動を日々の生活に組み込んでいってはいかがでしょうか。
Writer / 鍋谷萌子
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タグ:体重