結婚前に夫婦のルールを決めておこう!婚前契約(プレナップ)をする意味とメリットや作り方
皆さんは「婚前契約(プレナップ)」という名前を聞いたことはあるでしょうか?
タイガー・ウッズ夫妻やトム・クルーズ夫妻など、欧米のセレブ夫婦が離婚の際に婚前契約書の通りに慰謝料や養育費の支払いを取り決めたことが報道されました。
また、神田うのさんや、弁護士の大渕愛子さん・俳優の金山一彦さん夫妻も婚前契約を交わしたことを公表し、日本でも婚前契約書に興味を持つ方がじわじわと増えています。
これから結婚を控えている方も、いつかは結婚したいと思っている方も、ぜひ知っておいてほしい「婚前契約書」について詳しくご紹介します。
「婚前契約書」は夫婦の価値観を共有するためのもの
婚前契約は英語圏ではプレナップと呼ばれ、日本語訳では「結婚予定の男女が、結婚してからの生活やお金の扱いについて、結婚前に夫婦のルールを決めておくこと」になります。
離婚や不倫による慰謝料問題で婚前契約書の名前を聞くことが多いので、どうしても何かトラブルがあった時にばかり出番がある契約のようなイメージが付いてしまいますよね。
婚前契約書では、結婚生活の中で何か問題が起きた時にどうするかを契約する他、結婚生活を幸せに送るためにお互いの価値観をきちんと確認して、約束ごとを決めておくという意味もあります。
日本ではまだまだ馴染みの浅い婚前契約書ですが、欧米をはじめとする海外では既に当たり前となっており、日本でも徐々に婚前契約書を交わすカップルが増えています。
婚前契約書にはどんなことを書くの?
婚前契約書の内容は、二人が自由に決めることができます。
実際に婚前契約を交わした方は、以下のような内容を書いていることが多いようです。
夫婦生活について
お互いにどうしても譲れないことや、絶対にしてほしくないことがあれば、それについて書いておくこともあります。
また、結婚後に仕事をどうするのか、子供を作るのか欲しくないのかなど、夫婦生活に関するさまざまなことを婚前契約書に記すことができます。
あらかじめ決めておけば「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔することがなくて良いですよね。
お金のこと
婚前財産をどのように扱うのか、結婚してからお小遣いや貯蓄はどうするのかについて書く方も多いです。
また、夫と妻で収入に差がある場合には、生活費の負担割合を決めておくのもおすすめです。
その他、結婚前の借金やローンについてどういった扱いをするかを決める方もいます。
親の介護について
少子高齢化の現代において、避けて通れないのがお互いの両親の介護です。
少し前までは夫の両親は妻が介護するものという固定観念もありましたが、共働きが当たり前で子供も少ない現代ではそうもいかないですよね。
介護はいつ始まるかわからないので、あらかじめ決めておくといざ介護が必要になった時もスムーズに行動できます。
自分が死んだらどうするか
婚前契約書の中で、自分が死んだ後のことを決めておく方もいます。
保険金の受取や財産分与、または病気や事故に遭った時の対応など希望を書いておくようです。
「これをしたら離婚する」というボーダーライン
人それぞれ何をされたら離婚するのかのボーダーラインは違いますよね。
- 浮気や不倫などの不貞行為
- DVやモラハラなどの暴力
- ギャンブルや借金などの金銭トラブル
など、「これをしたら離婚する」というラインを婚前契約書の中に記す方もいます。
離婚時の慰謝料や養育費
もし離婚することになった時、慰謝料や養育費をどうするのかについて契約を交わす方が多いです。
さらに、離婚時には以下のようなお金に関する問題が出てきます。
- 家や土地
- 家財道具
- お互いの貯蓄
- ローンの残金
これから結婚するという時に離婚のことはあまり考えたくありませんが、離婚時のお金について決めておくと円満離婚がしやすいのだそうです。
婚前契約書を交わす3つのメリット
1.価値観を共有、擦り合わせ
婚前契約書の中で一番のメリットが、結婚前にお互いの価値観を確認し合えることです。
また、価値観の不一致があれば、譲り合ったり妥協するポイントを探すこともできます。
2.婚前の財産や趣味を守る
結婚前の貯金や財産をどうするか決めておくことも大切です。
結婚したらお互いの財産は共有だと思っていたら実はそうではなかった…というパターンも多いですし、逆に自分の貯金を当てにされていて困ったということもあります。
また、趣味にお金や時間がかかるのであれば、結婚後はどうするのかについても話し合っておくと結婚してからの揉め事を減らせます。
3.泥沼離婚を防げる
離婚する時はお金のことで揉めることが圧倒的に多く、冷静なうちに話し合うことでお互いに納得できる結論を出すことができるのです。
婚前契約書を交わしておくと、何かあった時もスムーズに対応できますし、結婚前に気持ちを引き締めることもできます。
また、子供が生まれるなど状況が変わった時に契約書の内容を見直すことで、良い意味で緊張感を持続させられるという意見もあります。
婚前契約書を交わす際の注意点
いざ婚前契約書を交わすとなると、アレもコレも決めておきたいと思ってしまいますよね。
しかし、あまりにもたくさんの制約を作ることはかえって逆効果です。
契約書の作成中にどこまで盛り込むかで揉めてしまったり、契約書を作った時はこれで良いと思っていてもだんだん息苦しくなってしまうこともあります。
契約書の内容は自由に決められますが、お互いを尊重する気持ちを大切にして制約は最低限少なくすることがおすすめされています。
婚前契約書の作り方
婚前契約書は自由に作成することができます。
ただし、二人だけの間で作った婚前契約書に法的効力はなく、何かトラブルが起きた時には相手の誠実さに任せる形になってしまいます。
特にお金のことに関しては公的な文書として作成していないと何の意味もないので、公正証書として作成しておくことをおすすめします。
自分たちで婚前契約書を作るには?
婚前契約書は公証役場に書類を持っていき、公正証書として認めてもらうことができます。
手数料として5千円~5万円ほど必要です(婚前契約書の中で交わされた金額によって手数料が変わります)。
自分たちで作成すれば公証役場での手数料しかかかりませんが、法律に照らし合わせて書類を作らなければいけないため、知識がないとかなり苦労します。
弁護士や税理士に依頼するのが一般的
婚前契約書は法律の知識がある弁護士や税理士に依頼するのが一般的です。
弁護士などを交えて3人で話し合いをし婚前契約書を作成、公証役場へ持って行くという流れになります。
依頼した事務所によって依頼料が変わりますが、公証役場での手数料を含めて10万円前後が相場となっているようです。
婚前契約書はお互いの意思や価値観を尊重し、幸せな結婚生活を送るため、そして万が一に離婚となった時もできるだけ揉め事がないようにするための契約書です。
また、結婚生活に何か不安がある時は、婚前契約書を作っておくことで安心感を得ることもでき、婚前契約書はお守りのようなものだと言う方もいます。
幸せな結婚生活のために婚前契約書を交わすことを考えてみてはいかがでしょうか?
Writer / ニヒラユウ
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タグ:婚前契約