女性の抜け毛・薄毛の原因は女性ホルモンの減少!抜け毛対策と効果的なヘアケア
「抜け毛・ハゲ・薄毛」というと、男性の悩みというイメージを抱く人が大半なのではないでしょうか。
女性は脱毛には気を配りますが、男性ほど薄毛や抜け毛に悩むことはありませんよね。
実際、男性の方が女性に比べて圧倒的に薄毛になる割合が高いのです。
しかし、女性にも抜け毛は起こり得ます。
しかも近年、年齢の若い女性でも抜け毛や薄毛になるケースが増えているのです。
今回は、女性の髪の毛が抜ける原因と、効果的な対策についてご紹介します。
抜け毛は誰にでも起こるもの。抜け毛の本数よりも感覚で判断
抜け毛は誰にでも起こることです。
人間の体は新陳代謝を繰り返しますから、その過程で成長が終わり、退行期を迎えた髪の毛は抜け落ちていきます。
抜け毛が特に多いのはシャンプーの時。
シャンプーを流した時に指にからまった抜け毛の多さにぎょっとすること、ありますよね。
髪の毛に刺激を与えるために抜けてしまう毛もありますし、すでに抜けていたけれど他の髪の毛に埋まって落ちてこなかった毛が落ちてくることもあります。
一日に抜け落ちる毛の本数については、個人差が大きく一概に言うことはできません。
「50本~250本程度は正常範囲内」という説もありますが、そもそも全ての抜け毛の本数を数えるなんて無理ですよね。
なので、抜け毛の本数自体はそれほど気にしなくてもよいでしょう。
神経質になり過ぎるのも良くないので、まずは自分の抜け毛が自然なものなのかどうかを見極めたいところです。
あくまで自分の感覚でよいので、チェックしてみましょう。
- 今まではクシを通してもこんなに抜けなかった
- 分け目のあたりが、目に見えて薄くなってきた
- 髪にハリがなって、頭頂部にボリュームがでなくなった
- 髪がパサパサでツヤがなくなった
今までの自分と比べて明らかに抜け毛が増えているのであれば、次は原因を考えることが重要です。
女性と男性の抜け毛の原因は違う
女性にも男性にも抜け毛は起こり得ますが、女性と男性では原因が違います。
男性の抜け毛の原因は「AGA」が多い
抜け毛が起こる理由はさまざまですが、男性の場合は「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれる症状がほとんどです。
男性ホルモンが変化してできた「ジヒドロテストステロン」が、発毛・育毛を妨げ、薄毛が進んでいきます。
女性でも「男性型脱毛症(AGA)」による抜け毛が起こる場合がありますが、男性に比べて男性ホルモンの量が少ないため、進行が途中で止まる可能性が高いと言われています。
男性のように、薄毛が進んで髪の毛が全く無くなってしまうケースは、女性には非常にまれでしょう。
女性の抜け毛の原因5つ
では女性の髪が抜けてしまう原因とは何でしょうか?
女性の髪が抜けてしまう原因を5つ、みていきましょう。
1. 加齢による女性ホルモンの減少
髪の毛の成長にとっては、「エストロゲン」という女性ホルモンが不可欠です。
しかし、女性ホルモンは加齢と共に減少するもの。
女性ホルモンは20代〜30代で分泌量のピークを迎え、30代後半からは徐々に減少傾向になります。
女性ホルモンが少なくなると、髪の毛は細くなりハリやコシが失われ、抜け毛・薄毛が起こりやすくなるのです。
そして、女性ホルモンが減少して男性ホルモンの量が上回ると、「男性型脱毛症(AGA)」の症状が出やすくなるとも言われています。
2. 生理・妊娠・出産によるホルモンバランスの乱れ
生理中に抜け毛が多いと感じたことはありませんか?
これは、生理前後のホルモンバランスの乱れが原因の抜け毛です。
生理前は「エストロゲン」が多くなりますが、排卵後は「プロゲステロン」というホルモンが増加します。
「プロゲステロン」は「エストロゲン」と同じ女性ホルモンですが、髪の毛にとっては逆の影響を及ぼすもの。
「プロゲステロン」は皮脂を増加させる作用があるため、頭皮の毛穴を皮脂が塞いでしまい、抜け毛の原因をつくるのです。
また、ホルモンバランスの乱れは、月経だけでなく妊娠・出産時にも起こります。
妊娠時は女性ホルモンが増加し、産後は急激に下降する為、産後は抜け毛が増えるのです。
出産後の抜け毛は一時的なものなので、数か月で落ち着くのが普通です。
生理周期による抜け毛もあまり心配はいらないでしょう。
ただ、生理不順で常にホルモンバランスが乱れている人の場合、抜け毛も慢性的になります。
生理不順と抜け毛・薄毛を無関係なものと考えず、産婦人科を受診しましょう。
3. 自律神経のバランスが崩れている
加齢による女性ホルモンの減少は自然なことですが、若いうちでも不規則な生活をしていると女性ホルモンは減っていきます。
昼夜逆転の生活をしていたり、睡眠不足が続いている人は要注意!
不規則な生活をしていると自律神経のバランスが崩れて健康を害することはよく知られていますよね。
自律神経をコントロールしているのは大脳の視床下部という部分なのですが、女性ホルモンを分泌する脳下垂体は、実は視床下部のすぐ近くにあるのです。
視床下部と脳下垂体は互いに影響し合っており、自律神経が乱れると女性ホルモンの分泌も減ってしまうことが分かっています。
また、精神的なストレスも自律神経が乱れる原因です。
よく「ストレスで髪が抜ける」と言いますが、これも自律神経の影響。
体が疲れている時や精神的に辛い時に抜け毛が増えるのは、自律神経が乱れ、女性ホルモンの分泌を抑制しているからなのです。
4. カラーリングやパーマで髪を痛めている
女性は、社会に出た後も男性に比べて髪型に自由がききます。
髪の毛を茶色く染めていたり、パーマを当てている人も多いのではないでしょうか。
近頃は髪の毛や頭皮に負担をかけないカラーリング剤やパーマの方法もありますが、それでも「何もしていない状態」に比べれば、髪の毛や頭皮に負担がかかるのは確かです。
特に、短期間で何度もカラーリングやパーマを繰り返すと、髪の毛や頭皮に与えられるダメージは大きくなります。
アラサー世代にはいないと思いますが、昔は「オキシドール(過酸化水素水)」を髪の毛にかけて脱色するという方法が取り上げられていましたね。
このような方法で脱色した髪の毛は細くなり、とても切れやすくなりました。
オキシドールを直接かけて脱色するのは特殊な例ですが、カラーリング剤にはこの過酸化水素が含まれています。
そのため、カラーリングを続けると、髪の毛が細く頼りなくなる危険性があるのです。
細い髪の毛は刺激に弱く抜けやすいですし、髪の毛を薄く見せることになってしまいます。
5. 極端な食事節制をしている
女性のなかには、過激なダイエットに取り組んでいる人もいます。
適度な体重管理なら良いのですが、「食事の量を大幅に減らす」「食事はサプリメントだけ」など極端な食事制限は栄養が減り、健康や美容を大きく損ねてしまいます。
入ってくる栄養の量が少ない時、人間の体は限られた栄養を配給する先を制限し、人間が生きていくうえで絶対必要な脳や臓器を優先させます。
髪の毛は、生きるのに絶対に必要なものではないため、髪の毛に渡す栄養は「節約」されることに。
その結果、髪の毛には十分な栄養が渡らずに、育たなくなってしまうのです。
女性の抜け毛に効果的な対処法
加齢による抜け毛はある程度仕方がないものです。
とはいえ、一端抜け毛の多さに気が付いてしまったら、不安が募ってきますよね。
抜け毛の不安をそのままにしておくとそれ自体がストレスになり、ますます抜け毛が悪化してしまいます。
まずは自分にできることから、抜け毛対策を始めましょう!
1. 規則正しい生活をする
「これが一番難しい…」と言う人も多いでしょうね。
しかし、生活習慣と抜け毛は切り離せない問題であることは前述の通りです。
良質な睡眠と健康的な食生活で自律神経を整え、女性ホルモンを正常に分泌させることが、育毛にとっては最も重要。
このベースができていないと、いくら高価な育毛剤を使っても効果は半減です。
また、精神的なストレスも生活習慣と密接に関係しています。
体が不調だと精神的にさらに追い詰められますし、逆に言えば睡眠欲や食欲が満たされていれば多少のストレスには負けません。
生活習慣の改善・ストレス耐性強化はセットで取り組みたい抜け毛対策です。
2. 育毛を助ける食べ物を食べる
バランスのとれた食事で偏りなく栄養を摂るのが大前提ですが、抜け毛が気になる時は、髪に良い栄養素を含む食べ物を意識して食べてみましょう。
タンパク質
髪の毛の約90%はタンパク質でできており、美しい髪を育てるのに欠かせない栄養素です。
肉や魚など動物性の食べ物に多いためダイエット中は制限しがちですが、タンパク質が不足すると髪には悪影響なので、ダイエット中でも適度に食べるようにして下さいね。
・タンパク質が多い食べ物:肉・魚・卵・乳製品
イソフラボン
イソフラボンと言えば、女性ホルモンに似た働きをすることで有名ですよね。
大豆はタンパク質も豊富ですし、減少する女性ホルモンを補うこともできる、髪の毛にとっては一石二鳥の食品です。
・イソフラボンが多い食べ物:大豆・インゲン豆
亜鉛
亜鉛は、新陳代謝を高めて髪の毛や爪の成長を促す栄養素です。
髪をつくるタンパク質の働きを助けたり、キューティクルを保護して丈夫でツヤのある髪にする働きもあるので、美髪には欠かせません。
・亜鉛が多い食べ物:牡蠣・豚レバー・チーズ
鉄分
鉄分も亜鉛と同じく髪の育成を助けるミネラルのひとつです。
鉄分は頭皮の血行を促進したり、タンパク質が髪を生成する成分ケラチンをつくる働きを助けます。
・鉄分が多い食べ物:レバー・ほうれん草・ひじき
ビタミンE
ビタミンEは血行を促進させるので、頭皮の血流をよくして栄養を届け、育毛を助けます。
また、抗酸化作用で細胞の老化を防ぐ作用もあり、白髪や抜け毛など髪の老化の予防にもなります。
ナッツ類の中でもアーモンドに特に多く含まれており、ビタミンCと一緒に摂取するとより効果的。
・ビタミンEが多い食べ物:ナッツ類・アボカド・オリーブオイル
抜け毛に悪影響を与える食べ物
逆に、抜け毛にとって悪い影響を与える食べ物もあります。
油っこい食べ物や、辛くて刺激の強い食べ物は、過剰に皮脂を分泌して頭皮の毛穴を塞ぎ、抜け毛の原因をつくります。
また、冷たい食べ物の摂り過ぎも、体を冷やして血行を悪くするので、頭皮に栄養が行き渡らず育毛を妨げてしまいます。
3. 正しい方法でシャンプーする
カラーリングやパーマで髪や頭皮に負担をかけないと同時に、正しいヘアケアをすることも大切です。
スタイリング剤が十分に洗い流せていないと毛穴を塞いだり頭皮が炎症をおこして抜け毛の原因になります。
しかし、かといってシャンプーのやり過ぎも逆効果。
洗い過ぎると頭皮が乾燥してしまい、かゆみや炎症がおこりやすくなります。
抜け毛対策のための正しいシャンプーの仕方
- シャンプー前に髪をブラッシングして絡まった髪の毛をほぐす
毛先が絡まったシャンプーすると、毛がひっぱられて抜け毛や切れ毛が増えてしまうので、ロングヘアの人は特に念入りにブラッシングしましょう。
ブラッシングすることで頭皮のマッサージにもなりますし、ホコリもおちてシャンプーの洗浄効果がアップします。 - 髪の毛と頭皮をしっかり濡らす
髪が濡れていないとシャンプーが泡立ちません。
髪の毛の根元や頭皮までしっかり濡らすことで、頭皮まですっきり洗うことができます。
熱すぎるシャワーは頭皮の乾燥を招くので、湯温には注意して下さい。 - シャンプー剤は泡立ててから頭皮につける
シャンプー剤は液状のまま髪につけるのではなく、手のひらで泡立ててから使いましょう。
泡立てたシャンプー剤は、毛先ではなく頭皮につけていきます。 - 指の腹でマッサージしながら洗う
髪の毛ではなく、頭皮を洗います。
両手の指全てを使って円を描くようにマッサージしながら洗うと、毛穴の汚れが絞り出され、頭皮の血行がよくなります。
爪を立ててしまうと頭皮を傷つけてしまうので、必ず指の腹を使いましょう。 - 時間をかけて完全にすすぐ
すすぎには、洗う時間の倍の時間をかけるつもりでしっかりと!
とくに頭皮にすすぎ残しがないように、髪の毛をかき分けながら完全に流して下さい。
シャンプーの選び方
どんなシャンプーを選ぶかは、好みや相性もありますので一概には言えませんが、少なくとも使ってみてかゆみやフケが出るようなものは、すぐに使用をやめましょう。
ドラッグストアで安く量販されているシャンプーの中には、刺激が強い石油系界面活性剤が使われているものも多く、注意が必要です。
自分で選ぶのが難しい人は、美容院で相談して購入するのがおすすめです。
少し値段は高いかもしれませんが、使い方も含めてアドバイスしてもらえるはずです。
4. 頭皮マッサージを習慣にする
頭皮が固くなると、血行が悪くなって抜け毛が増えます。
頭皮マッサージを習慣にすると、血行が促進されて毛根に栄養が行き渡るようになるので、髪にツヤやハリが出てきます。
また、頭皮マッサージにはリラックス効果もあり、自律神経を整える効果もあります。
簡単なマッサージですので、ぜひ毎日の習慣にして下さいね。
簡単!頭皮マッサージのやり方
両手で頭をつかむようにして、生え際から後頭部に向かって円を描くように指圧します。
力加減は、自分が気持ちよく感じる程度で。
頭皮がじんわり暖かくなったのを感じたら、血行が促進された証拠です。
注意点は、爪を立てずに指の腹を使うことと、髪の毛を引っ張らないこと。
シャンプー中やお風呂上がりなど、体が温まっている時に行なうとさらに効果的です。
急激な酷い抜け毛は病気かも?病院を受診しましょう
ここまでご紹介した抜け毛の原因・対策は、少しずつ全体的に髪の毛が抜けていく抜け毛の場合です。
もし、短い期間でごっそりと髪の毛が抜けてしまったり、ひとつの箇所だけ集中して禿げてしまうような場合は、病気が原因である可能性があります。
抜け毛が酷いと感じたら、早めに病院で診察を受けましょう。
原因を知ることが抜け毛対策への第一歩です!
円形脱毛症
突然、頭の一部分がコインのような円形に脱毛してしまう症状。
痛みがほとんどなく抜けるので、場所によっては本人が気が付かない場合もあります。
皮膚科を受診するのが通常ですが、原因があきらかなストレスである場合は心療内科を受診してもよいでしょう。
若年性更年期障害
更年期障害になるような年でもないのに、ホットフラッシュやイライラを伴う抜け毛が出てきたら、若年性更年期障害の可能性があります。
過激なダイエットやストレスが原因でホルモンバランスが崩れ、20代でも生理が止まり更年期障害は起こります。
この場合は産婦人科を受診して、体の不調と合わせて抜け毛についても相談しましょう。
頭皮の炎症
頭皮にできた炎症やかぶれ、湿疹などが原因で異常な脱毛が起こる場合もあります。
皮膚科を受診しましょう。
いかがでしたでしょうか?
女性にとって、髪はファッションでありアイデンティティであり、自信の源でもありますよね。
できることなら、いつまでも美しく保っていたいものです。
女性の抜け毛は男性ほど悪化するケースは少なく、原因が分かれば酷くなる前に食い止めることができます。
抜け毛が気になり出したら放置せず、まずは生活習慣から見直してみましょう。
Writer / 鍋谷萌子
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タグ:抜け毛