チーズはワインと組み合わせて楽しみたい!赤ワイン・白ワインに合うチーズ
世界中には非常にたくさんの種類のワインやチーズがありますよね。
しかし、「全種類について専門的な話を聞きたくはない。気軽に楽しめるワインと相性のよいチーズを知りたい」という人も多いのではないでしょうか。
ワインについては以前に初心者におすすめのワインの選び方という記事でご紹介しました。
今回は、チーズの資格を持っている著者が「ワインとあわせて楽しめるチーズ」をやさしく解説していきます。
「ワインは嫌いではないけれど、赤と白くらいの区別しかつかない」「チーズは好きだけど、プロセスチーズくらいしか食べたことがない」という初心者の方におすすめの記事です。
白ワインにはクセの少ないチーズがおすすめ
白ワインはアルコール度数が低くくて、フルーツのような爽やかな味がするので、初心者でも比較的飲みやすワインです。
ただ赤ワインと比べると味や風味にパンチが弱いので、青かびチーズや白かびチーズといった個性の強いチーズと一緒に食べ合わせると、白ワインの味が負けてしまいます。
あえて青かびに甘い白ワイン(アイスワインなど)を合わせる方法もないわけではありませんが、ちょっと難易度が高めです。
ソムリエさんやチーズのプロフェッショナル、あるいはワインやチーズに詳しい人がそばにいないという状況なら避けた方がよいでしょう。
白ワインと組み合わせるには、初めての方でも馴染みやすいクセの少ないチーズがおすすめですよ。
初心者にはセミハード系チーズが一番おすすめ
初心者の方に特におすすめしたいのはセミハード系のチーズです。
セミハード系チーズとは、プレスして熟成させ水分量を38~46%まで減らした固めのチーズで保存期間が長いことが特徴です。
くせがなく、味がまろやかで食感も優しいので誰でも食べやすいと思えるでしょう。
あくまで個人的な意見ですが、セミハード系なら「サムソー」や「ゴーダ」、「フォンティナ」といった種類のチーズが初めての人におすすめです。
セミハード系は基本的に固めのチーズになります。
もし、弾力のあるモチモチした食感を楽しみたい方は「マリボー」というチーズを試してみてはいかがでしょうか。
味はどのセミハード系チーズもうまみとコクがあるので、食感でお好みのチーズを選ぶとまた楽しいかと思います。
濃厚なコクや旨味を味わいたい方はハード系チーズ
セミハード系チーズより、さらに水分量を少なくしたものがハード系チーズとなります。
6~10ヶ月間ほど熟成させるので、とても硬くてうまみが凝縮されているチーズです。
濃厚な味のチーズを食べたい方は、セミハード系よりもハード系を選ぶほうといいでしょう。
ハード系チーズなら、スイスで生まれた「エメンタール」や「グリエール」がおすすめです。
濃厚なコクがありますが、チーズフォンデュ用のチーズとしてもよく使われるので、初心者でも食べやすいと感じられるでしょう。
もし「もう少し食べやすいものがいい」と感じたら「チェダー」がおすすめ。スーパーにもよく売られているので、多くの人が美味しく食べられるはずです。
リーズナブルなチーズを求めている方は「グラナ・パダーノ(グラナパダーノとも)」という種類が、ハード系チーズの中でも比較的安く売られています。
食べやすさを求めるならフレッシュチーズやプロセスチーズ
白ワインは、上で述べたようにハードチーズやセミハードチーズをあわせるのが基本です。
ただ、「チーズについてはそれほど詳しくない」「以前、プロセスチーズ以外のチーズとあわせて飲んでみたけれど、やっぱり味の主張が強すぎるのが気になった」という場合ならば、フレッシュチーズやプロセスチーズを選ぶとよいでしょう。
フレッシュチーズやプロセスチーズというのは熟成をさせないので、酸味があってさっぱりとした爽やかな風味が楽しめます。
フレッシュチーズなら、トマトとあわせても美味しい「モッツァレラ」、ほろほろした口どけが楽しい「リコッタチーズ」がおすすめ。
ただ、フレッシュチーズは熟成をさせないので「味が薄い」と感じる人もいるかもしれません。
そんな方はフレッシュチーズにはちみつやジャム、塩、野菜と組み合わせるとまた違った美味しさを楽しめます。
プロセスチーズは他のチーズと比べてランクが一枚落ちるようなイメージを抱かれがちですが、現在は非常に品質のよいものがたくさん出ています。
雪印メグミルクが発売している「切れてるチーズ」などはプロセスチーズに入り、日本人の舌に合うように作られているので誰でもおいしく味わえます。
個性的な味のチーズを楽しみたい方はシェーブルチーズ
画像参照:オーダーチーズ
シェーブルとはフランス語で「山羊」という意味です。シェーブルチーズは牛乳ではなくて山羊の乳から作られているので、特有のクセがあります。
深いコクと濃厚な味がするので、辛い白ワインによく合います。
初めての方には「ブリケット・デ・ゴール」というチーズが良いでしょう。フランスで作られたもので比較的食べやすいのです。
シェーブルチーズとして有名な「サント・モール・ド・トゥレーヌ」は、熟成が進むと味の主張がとても強くなるので、爽やかな風味を楽しみたい方は熟成が進む前にお楽しみください。
赤ワインは味の濃厚なチーズと一緒に
赤ワインは白ワインに比べて味や香りに深みがあるものが多いので、濃厚でくせのあるチーズでも受け止めることができます。
強烈な風味を持つ青かびチーズ(ブルーチーズ)や柔らかい触感が特徴的な白かびチーズ、熟成の進んだ濃厚なシェーブルチーズなど個性的なチーズと赤ワインの相性はいいのです。
ハード系のチーズとも相性はぴったりですが、赤ワインに合わせるのであればエメンタールのように「優しさ」が出るものより、ある程度主張の強いものを選んだ方が良いです。
赤ワインにオススメなのは青かびチーズ
赤ワインと合うチーズの中で、特におすすめしたいのが青かびチーズになります。
青かびチーズは作るときにチーズを一度塩水につけるので、かなり強い塩味が特徴的です。
青かびチーズの中で「ゴルゴンゾーラ・ピカンテ」や「スティルトン」は、赤ワインにぴったりです。渋みのある赤ワインとステーキにあわせて食べましょう。
ゴルゴンゾーラは、「ゴルゴンゾーラ・ドルチェ」もありますが、こちらはやや甘味が強いので甘さがある赤ワインとよく合うでしょう。
甘口ワインは軽いチーズと合わせる
「赤ワイン」というと、真っ先に「ボジョレー・ヌーボー」が思い浮かぶ人もいるかと思いますが、このような甘いワインの場合は選ぶべきチーズがまったく異なります。
甘いワインには、軽い味わいで楽しめる白カビチーズやフレッシュチーズをあわせるのがよいでしょう。
中でも「サンタンドレ」や「カマンベール」がおすすめ。
チーズに、ジャムやはちみつを垂らして楽しみます(個人的には安いメープルシロップを垂らすのが一番好きです。1個30円くらいで売られているもの)。
ボジョレー・ヌーボーのような甘い赤ワインの場合は、「食事にあわせる」というよりも、「デザート的に楽しむ」という楽しみ方が中心になります。
このため、「渋み」や「深さ」が強く出がちな一般的な赤ワインとは選ぶべきチーズも変わってくるので注意が必要です。
このように、赤ワインと白ワインでは、選ぶべきチーズが異なります。
さらに、「辛口か、甘口か」によって変わってきますが、一般的に、甘口には軽めのチーズ(フレッシュやセミハード)を、辛口には主張の強いもの(ハードや青かびなど)を選ぶようにすると、失敗が少なくて済みます。
チーズは日数を重ねるほど熟成していくので、熟成度に合わせてワインを変えてみるのも楽しさの1つです。
例えば、サント・モール・ド・トゥレーヌは、熟成が進む前は白ワインで、そのあとは赤ワインで楽しむということもできます。
みなさんもぜひ自分にとって最高のチーズとワインの組み合わせを探してみてはいかがでしょうか。
Writer / 鍋谷萌子
にほんブログ村