薔薇の香りを楽しもう!初心者でもできる薔薇の飾り方と薔薇の香りの効果
5月の中旬から6月の上旬は、薔薇(バラ)の花がとても美しい時期です。
数々の薔薇園が一年で一番美しい時期になりますし、街角にある家々で育てられた薔薇が通行人の目を楽しませる時期でもあります。
様々な色があってとても美しく、香りも華やかな薔薇は、かつてクレオパトラもこよなく愛したと言われています。
そんな薔薇が部屋の中にも飾ってあったら、とっても素敵ですよね。
飾ってあるだけで、上品な雰囲気が漂います。
そう思ったあなたでも大丈夫です。
薔薇は1本1本に存在感があり、シンプルに活けるだけでお部屋がぐっと女性らしさが増しておしゃれになるんですよ!
また、薔薇の香りはリラックス効果や美肌効果などカラダに良い効果をもたらしてくれます。
そこで今回は初心者でもできる薔薇の活け方と、香りの効能について紹介したいと思います!
ちなみに、ここでは便宜上「活け方」としていますが、特別な手法や剣山などの道具、技術は必要ありません。
また活けてある薔薇についての説明も軽く加えましたので、お楽しみください。
玄関先を彩る花は高さを生かして
玄関先を彩る薔薇は、「高さ」を生かして面白さを出すと一目を引きます。
ここで使っている花は、手前の真ピンクのものが「オーギュストルノワール(「オーギュスト・ルノワール」「オーギュストルノアール」とも)」で、奥の白い花が「ドレスデン」です。
同じ高さに活けてもよいのですが、高さを変えて2つの花が直線で並ぶようにすると、立体感のある活け方となるでしょう。
また、ここで使っている花は両方ともとても香り高いものです。
「玄関を開けたら薔薇の香りがふわりと漂う……」というのは、なんとも優雅ではありませんか?
花瓶は瀬戸焼の花瓶です。はっきりと覚えていませんが、たしか3000円程度だったと思います。
オーギュストルノワールはフランスで生まれた花であり、砂糖菓子のような、あるいは人工物めいたとても鮮やかなピンク色が面白い花です。
オーギュストルノワールという名前は、フランスで活躍した画家の名前からきています。
白い美しいドレスデンは一目を引く花です。少し退色しても風情があるので長く楽しめます。
ドイツにある都市の名前を冠した花で、ピンク色のオーギュストルノワールとも相性がよい花です。
一つの花、一つの花びらはアイテムをプラスして面白さを出す
もう一つ、玄関先のお花を紹介します。これは「クリムゾングローリー(クリムゾン・グローリー)」という薔薇と手持ちのネックレスを掛け合わせて、30円のガラス容器に入れています。
単色、一つの花だけで花瓶を構成するのもなかなか面白い手法です。この方法を選ぶ場合は、花は色味が強いものを選ぶと印象がぼやけず、しっかりと決まるでしょう。
ただ、それだけでは印象が落ち込んでしまうときもありますので、写真のように、真珠をモチーフとしたネックレスなどでドレスアップしてあげるとよいかもしれません。
この方法は「摘んだ瞬間に花びらが落ちてしまう……」という状態になってしまった薔薇も利用できます。
玄関先で使っているクリムゾングローリーは、非常に「薔薇らしい」花であると言えます。
1935年にドイツで生まれた花ですが、つややかで香りの高い真赤な薔薇です。
花びらの縁が巻いて、角ばった形であることに加え、花の中心部分が一番高く、横から見ると山なりになっているという特徴的な容姿が豪華なイメージを抱かせます。
クリムゾングローリーを見て、少女漫画などに登場する薔薇を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
咲く季節を限らない「四季咲き」なのもうれしいポイントです。ちなみに私が一番好きな薔薇です。
リビングはたくさんの花を活けてゴージャスに作る
リビングは家の中心であり、お客様をお招きするもっとも重要な場所でしょう。そのため、やはり豪華でゴージャスな人目をひく花を活けたいものです。
リビングでは、大きくて平たいガラスの器を使います。その器に、所狭しと花を据えればインパクトは十分です。
ここで使われている花は、以下の5種です。
- 手前ピンクの薔薇…マダム・ルイ・レベック
- 真ん中真っ赤な薔薇…クリムゾングローリー
- 向かって右側、濃いピンクの花…オーギュストルノワール
- 奥の大きなややピンクがかった白い花…ピエール・ド・ロンサール
- 奥の一番小さいオレンジがかった花…琴音
「マダム・ルイ・レベック」は、ほっとするような優しいピンクが特徴の花です。
同じピンク系統のオーギュストルノワールとは方向性が違い、自然な色を宿し、紅茶のカップのように中央が開いた丸い薔薇です。
フランス生まれの薔薇であり、1898年に開発されたオールドローズという品種の1つです。可憐でありながら優美な雰囲気があり、育てやすい薔薇でもあります。
「ピエール・ド・ロンサール」は、「ピエール・ドゥ・ロンサール」とも言われます。
世界にある薔薇のなかでも、もっとも有名な薔薇のうちの一つであり「育てやすさ」「色の美しさ」「ゴージャスさ」をすべて兼ね備えた花です。初心者さんはこれから育ててみるとよいでしょう。
「琴音」は、名前からも分かる通り日本生まれの薔薇です。
2002年に生まれた薔薇であり、かすかなオレンジを宿した和風の花です。色の押し出しは強くないものの、人の心を和ませるようなきれいな花で比較的育てやすいことでも知られています。
リビングに飾ってある5種の薔薇は、必ずしもすべてが強香であるわけではありません。
しかし、これだけの薔薇を詰め込むと、やはり香りは非常に強くなってしまい、食事の邪魔をしてしまうこともあります。
「同じテーブルで食事を楽しむ」ということであれば、食事のときは別室に移しておくとよいでしょう。
ここで使っている花器は、写真ではあまりはっきりとわかりませんが、実はガラスに薔薇の模様を配したものです。リサイクルショップで300円くらいでした。
事務室や書斎に飾る薔薇は小さな花器を使って邪魔にならないように
こちらは私の事務室に飾っている薔薇です。とても小さな花器に、ぎっしりと詰まっているのは、「オーギュストルノワール」と「ドレスデン」です。
事務室や書斎など作業する場所に飾る花は場所をとらないように、小さな花器を使うとよいでしょう。
小さな花瓶にしっかり入れると、写真のように可憐で華やかな出来になります。
オーギュストルノワールとドレスデンの組み合わせは、玄関の花でご紹介したものと同じです。ただ、花器や活け方を変えるだけでまったく表情が変わります。
薔薇の楽しみは「洋風」だけじゃない!和風にしても楽しめる
「薔薇」というと、「洋風の花」というイメージを抱く人も多いでしょう。しかし、実は活け方を変えることで、和室にもぴったりとあわせることができます。
高さのあるシックな花瓶に活けているのは、「ブラン・ピエール・ド・ロンサール」と「オーギュストルノワール」です。
ブラン・ピエール・ド・ロンサールは、リビングの薔薇でご紹介したピエール・ド・ロンサーヌの白いバージョンになります。
ブラン・ピエール・ド・ロンサールも育てやすく、その割に美しい花を結ぶことで有名です。
なお、小物として、九谷焼の名匠中村陶志人氏の「ふくらすずめ」や飾り板、南部鉄器を飾っていますがもちろん薔薇だけでも楽しめます。
小物として飾った南部鉄器の柚子の水差しを花器として使うこともできます。
写真のように一輪挿しのようにして使うのが正解。たった一輪なのに、鮮やかさと派手さを推しだせるのがポイントです。
ここで使っている花は「スプニール・ドゥ・ドクトル・ジャメイン」。強い香りを持つ薔薇で、丸弁平咲の花です。
ステム(軸。花の下についている枝状の部分)が短いので切り花には原則として向きませんが、このように、小さな花器に活ければそれも気になりません。
薔薇の香りにはリラックス効果・美肌効果がある!
昔から薔薇の香りは人間の心とカラダを癒してきましたが、最近の研究では科学的に人間のカラダや精神に良い影響を与えると判明したそうです。
確かに色々な化粧品に薔薇の成分や香りが使われていますよね!
薔薇の香りは品種によって大きく2つに分類されますが、特に現代の薔薇に多いとされている「紅茶に似たティー系の香り」の成分は、アロマの香りでよくある、ラベンダーやベルガモットよりもリラックス効果があることが確認されています。
また、薔薇の香りを嗅ぐことで脳が刺激され、皮膚バリア機能の回復を促すということもわかっているんです!
皮膚のバリア機能とはお肌から水分を蒸発するのを防いでくれる機能のこと。
部屋に飾ることで室内が華やぐ上、気持ちも落ち着き、自然と美肌効果が得られるなんて一石三鳥ですね。
いかがでしたでしょうか?
今回使っている画像の薔薇は、すべて自宅で育てた薔薇です。一般家庭であっても手をかけて育てていくことで、これくらい美しい花を作ることができます。
また庭がないという方でも、鉢植えであればベランダでも育てることができます。
薔薇は、花器や花の活け方や飾り方を変えるだけで大きく表情を変えるもの。
一輪挿しでも大輪の薔薇ならインパクトは十分にあります。
さまざまな方法を試して、香りも一緒に楽しんでみてくださいね。
Writer / 鍋谷萌子
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タグ:美肌