【コロナ対策】“学生支援緊急給付金”とは?

時事ネタ

新型コロナウイルスの感染拡大により、売上が落ちている企業や収入が下がっている世帯は数多くあります。
また、学生生活を送るのが難しくなっている方の増加も、見過ごせない大きな問題です。
今回は、そんな学生の方に向けて、“学生支援緊急給付金”という制度について解説したいと思います。

学生支援緊急給付金の概要

冒頭でも触れたように、新型コロナウイルスの影響で、アルバイトの収入が著しく減少するなどして、学生生活を送るのが困難になっている方は増加しています。
当制度は、そんな学生に対し、将来の経済社会基盤を確保するという観点から行われる給付金制度です。
具体的には、特に家庭から自立した学生等に向けて、“学びの継続”のための給付が行われます。
つまり、「学びたいけど学べない」という現状に苦しむ自立した学生をサポートすることで、学生にとっても日本の将来にとってもプラスをもたらすための制度だということですね。
ちなみに、当制度では、住民税非課税世帯の学生に20万円、それ以外の学生に10万円が給付されます。

利用条件について

当制度は、学生を対象に行われる制度ですが、すべての学生が対象になるわけではありません。
利用するには、まず以下の条件を原則すべてクリアしなければいけません。

①国公私立大学(大学院含む)、短大、高専、専門学校(日本語教育機関、留学生を含む)の学生であること
②家庭から自立し、アルバイト収入で学費を支払っていること
③家庭からの仕送りを受け取っていないこと
④原則自宅(実家)外で暮らしていること
⑤生活費、学費に占めるアルバイト収入の割合が高いこと
⑥家庭の収入減等の理由により、家庭からの援助が期待できないこと
⑦コロナの影響でアルバイト収入が著しく低下していること(50%以上)
⑧原則、既存制度については以下を満たしていること
 修学支援制度の区分Iの受給者であることあるいは受給者になる予定であること
 修学支援制度の区分Ⅱ、Ⅲの受給者であり、無利子奨学金を限度額まで利用していること
 世帯所得が新制度の対象外で、無利子奨学金を限度額まで利用していること
 要件をクリアできないため、新制度や無利子奨学金は利用していないが、民間等を含め申請可能な支援制度を利用していること

上記の条件をクリアしていて、なおかつ大学等側が学生の自己申告状況等に基づき、総合的に支援が必要だと認める方が、当制度の対象になります。
ちなみに、留学生に関しては、日本学生支援機構の学習奨励費制度の要件等をクリアすることで、対象となる可能性があります。
具体的には、学業成績が優秀であったり、出席率が高かったりといった要件ですね。

必要書類、申請方法について

当制度の申請は、2020年5月19日からスタートしています。
また、申請の対象となる機関は、国内の大学(専攻科、別科および大学院含む)、短期大学、高専(第4学年、第5学年および専攻科に限る)、専門学校、日本語教育機関です。
必要書類と申請の具体的な流れについては、以下を参考にしてください。

 必要書類
①学生支援緊急給付金申請書
②誓約書
③支給要件を満たすことを証明する書類
具体的には、預金通帳等の写し、アパート等の賃貸借契約書の写し、住民票の写し、給与明細の写し、住民税非課税証明書、奨学生証、仕送り額や扶養者の年収が確認できる振込口座の預貯金通帳の写しなどが挙げられます。

 申請の流れ
①申込関係書類の作成
必要書類のうち、“学生支援緊急給付金”と“誓約書”について、文部科学省ホームページに掲載されている様式をダウンロードの上、必須事項を記入します。

②必要書類の提出
指定された期限までに、必要書類を在学校へ提出します。
提出前には、必要書類が不備なく整っているか必ず確認しましょう。
また、申込関係書類の作成、必要書類の提出に関しては、大学によってはスマートフォンによる申請も受け付けています。

③大学等での審査
提出した書類を大学等がチェックし、支給要件をクリアしているかどうかの審査を行います。

④機構への審査結果の提供
各大学等での審査の結果、要件をクリアしていると判断された学生の推薦リストが、機構へと口座情報とともに提供されます。

⑤給付金の振込
機構から、審査をクリアした学生の口座に給付金が振り込まれます。

給付方法について

当制度の給付金は、申請者である学生の口座(本人名義)に振り込まれます。
もし、本人名義の口座を持っていないのであれば、申請する前に利用可能な口座を開設しておきましょう。
また、当制度には利用可能な金融機関・口座と利用できない金融機関・口座が存在します。
具体的には以下の通りです。

利用可 利用不可
金融機関 日本国内の銀行(ゆうちょ含む)、信託銀行(一部対象外)、信用金庫、労働金庫、信用組合、農業協同組合 外資系銀行、ネット専業銀行(楽天銀行、ジャパンネット銀行、セブン銀行等)、その他一部の銀行(新生銀行、あおぞら銀行、セブン銀行)
口座 本人名義の普通預金(通常貯金)口座 本人以外の名義の口座、貯蓄預金口座、休眠口座

ちなみに、給付金の支給日に関しては、特に細かい決まりはありません。
申請後、大学等での選考を経て、推薦が終わり次第振込ができるよう、手続きが進められます。
また、支給の決定通知は特にありません。
口座への振込をもって、支給決定の通知に代えます。

当制度のよくある質問

Q.他の支援制度と併せて利用することはできる?
A.当制度は、既存の支援制度(高校教育の修学支援新制度、日本学生支援機構の第一種奨学金、民間等による支援制度)を活用していること、または既存の支援制度への申請を行う予定であることを求めています。
したがって、当然他の支援制度と併用することは可能です。

Q.家庭からの仕送りは1円でももらっていたら対象にならない?
A.当制度における“家庭からの仕送り”は、年間総額150万円以上(授業料含む)を目安としています。
したがって、1円でももらっていれば、対象外になるというわけではありません。
最終的には、大学等が学生の自己申告状況に基づき、実情を勘案して総合的に判断します。

Q.年齢要件はある?
A.当制度に年齢要件はありません。
学生であり、なおかつその他の要件をクリアしていれば、たとえ高齢の方でも対象になる可能性はあります。

Q.証拠書類が揃わないと申請できない?
A.要件をクリアしていることの証拠書類がすべて揃わなくても、自己申告で申請することができます。
ただ、万が一申告内容に虚偽があった場合は、返金を求められることがあるため注意しましょう。

Q.仕送り額、バイト収入、授業料の引き落としの時点は、いつ頃のものが求められる?
A.目安は今年1月以降の時点です。

Q.アルバイトを始めようとしていたのに、コロナの影響で始められなかった場合も対象になる?
A.アルバイトを予定していたにも関わらず、得られるはずだった収入が得られなかった場合も、当制度の対象になります。
具体的には、申請書にその旨を記載し、“生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が高い”、“コロナの影響でアルバイト収入が大幅に減少(50%以上)している”という要件をクリアすることで対象となります。

まとめ

ここまで、コロナの影響で満足な学生生活を送れない方に向けて、“学生支援緊急給付金”について解説してきました。
当制度には、利用するためのクリアすべき要件が多くありますが、多くの支援制度と併せて利用できるため、学生の方はぜひ要件をチェックしましょう。
また、実情が大きく反映される制度でもあるため、審査に通る自身がなくても申請して損はないでしょう。

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