今夏に行われた参議院選挙において、一際異彩を放っていた政党があります。
それが、今回ピックアップする“ごぼうの党”です。
ここからは、名前からしてインパクトのあるこちらの政党の概要や、多くの芸能人に支持された理由、さらには議席獲得に至らなかった理由などについて解説します。
ごぼうの党の概要
ごぼうの党は、党首nayutaが2022年6月に立ち上げた新しい政党であり、漢字では護防の党と表記されます。
nayutaは顔出しを行わない党首アバターであり、脳に難病を持つ実在の男性がモデルで、応援の意味を込めて起用されています。
参議院選挙までわずか1ヶ月というタイミングで誕生したことを考えても、明らかにその目的は選挙での議席獲得であり、国民に笑顔を与えるエンタメ業界や食の安全を守るという、他の政党とは一線を画す活動目的、政策を打ち出しています。
ちなみに、ごぼうの党という名称は、根菜のごぼうが由来です。
ごぼうの可食部分は1mにもおよび、深いところに埋まっている部分まで食べることができる上、生薬にもなり、毒素を排出させて悪いものを除去することができるという点から、政党の名前に選んだと解説されています。
ごぼうの党を支持した芸能人
ごぼうの党は、その奇抜さもさることながら、多くの芸能人から支持されたことでも話題になっています。
具体的には、以下のような人物です。
・山田孝之
・三浦翔平
・山下智久
・Taka(ONE OK ROCK)
・宮迫博之
・田村淳(ロンドンブーツ1号2号)
・GACKT
・ヒカル など
俳優やアーティスト、お笑い芸人やYoutuberなど、幅広いジャンルの芸能人、有名人が、次々とごぼうの党の支持を表明したことにより、その注目度はさらに上昇することになります。
また、街頭演説では、代表の奥野卓志氏が天狗のお面、白髪のカツラ、法被姿で、人気漫画『鬼滅の刃』の鱗滝左近次を想起させる格好で抱負を述べましたが、こちらの街頭演説には、ゲストとして元K-1戦士のボブ・サップ、ピーター・アーツ、実業家の春木開、格闘家の久保優太、歌手のサラ、仮面女子が登壇しています。
ごぼうの党が多くの芸能人に支持された理由
ごぼうの党が多くの芸能人や有名人に支持された一番の理由としては、やはり党首や黒幕と親密な関係にあることが挙げられます。
ごぼうの党の党首や黒幕については諸説あり、真実は謎に包まれていますが、おそらくは芸能関係者ではないかと言われています。
つまり、交友関係にある党首や黒幕から、宣伝を兼ねて賛同するように依頼された可能性が高いということです。
また、他の理由としては、シンプルにごぼうの党の公約や理念に賛同したことも挙げられます。
前述の通り、ごぼうの党の活動目的には、エンタメ業界を守ることが含まれていて、今回支持した芸能人の方の中には、純粋にこちらに賛同した方もいるかもしれません。
そして、ごぼうの党を支持した芸能人、有名人には、ある共通点があると言われています。
それは、暴露系Youtuberであり、現在は国会議員としても活動するガーシーこと東谷義和氏の標的になった人物、またはそれに近い人物だということです。
つまり、前述した芸能人、有名人が、ごぼうの党がガーシーの出馬に対抗することに対し、賛同した可能性もあるということです。
ごぼうの党が議席を獲得できなかった理由
ごぼうの党は、今夏の参議院選挙において、政党要件を満たしていない確認団体の初陣として、過去最多の得票数19万3,724票を獲得しました。
しかし、比例代表に擁立した11人は全員落選し、残念ながら議席獲得とはなりませんでした。
このような結果について、ごぼうの党の代表である奥野氏は、「扱ってくれたのはスポーツ紙だけ」と、メディア露出の少なさを敗因として挙げています。
確かに、NHKや一般紙大手が、ごぼうの党について取り上げることはほとんどありませんでしたが、実際は他にも原因があったとされています。
例えば、党首のnayutaや奇抜な格好で街頭演説を行った奥野氏に比べ、擁立した比例代表11人のインパクトに欠けたこと、選挙活動の経過とともに、奥野氏の主義主張が全面に出始めたことなどが挙げられます。
ごぼうの党は、芸能界との密接さが評判であったにも関わらず、比例代表11人はほぼ無名かつ芸能人や有名人でもなかったために、ここで大きなムーブメントを起こすことができませんでした。
また、abema TVの選挙特番に奥野氏が出演した際、活動理由について問われ、日米経済調和対話、日米合同委員会などのワードを出しながら、「日本はアメリカに命令されたことをただやっている」といった話を延々と続けました。
こちらは、エンタメ業界や食の安全を守るという、ごぼうの党が当初打ち出していた活動内容とはどうも結びつかず、徐々に内容の薄さが浮き彫りになる結果となっています。
まとめ
ここまで、今夏の参議院選挙を賑わせたごぼうの党について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
落選後、代表の奥野氏は、「3年間で政権を取るために動く」と発言しているため、次回の衆院選においても、再びごぼうの党が話題になる可能性は高いです。
また、次回はさらに奇抜な仕掛けを実施することが予想されるため、目が離せない存在であることは確かです。