首都圏の新築マンション価格が下がらない理由

時事ネタ

首都圏の新築マンションに対し、憧れを持つ方も多いかと思いますが、こちらを購入する場合、平均的な所得ではなかなか手が出せません。
また、ただでさえ高い首都圏の新築マンションの価格が、近年は高騰し続けていて、こちらは簡単には下がらないとされています。
今回は、こちらの理由を中心に解説します。

首都圏の新築マンション価格の高騰について

不動産経済研究所の調査によると、昨年2022年の首都圏の新築分譲マンション一戸あたりの平均価格は6,288万円で、前年比0.4%アップでした。
上昇率はわずかとはいえ、こちらは2年連続でバブル期の最高値を更新しています。
また、6,288万円という価格がどれほど高いのかについては、シミュレーションをすることである程度わかります。
仮に、自己資金288万円で、6,000万円のローンを金利0.475%の変動金利型、35年元利均等・ボーナス返済なしで購入した場合での返済シミュレーションをしてみましょう。
こちらのケースでは、毎月の返済額が15万5,089円となり、家計の重荷になりすぎない返済負担率を25%に抑えるとすれば、年収は744万円必要になります。
2021年時点の日本人の平均給与が443万円であることから、やはり首都圏の新築マンションは、平均的な会社員の方などが簡単に手を出せるものではないということがわかります。

首都圏の新築マンション価格が下がらない理由

これだけ高騰を続けている首都圏の新築マンション価格ですが、今後もしばらくは下がらないことが予想されます。
主な理由は以下の通りです。

・買い換え層が動かない
・50年近く長期上昇トレンドに乗っている
・高所得層によって購入されるケースが多い

買い換え層が動かない

首都圏において、すでに新築マンションを所有している層は、間取りを含む現在の住まいに満足している上、先ほども触れたように、ここ10~20年の間に、好立地で購入した物件の価値は値上がりしている可能性が高いです。
そのため、買い換えをするという発想があまりなく、自宅が高値で売却できるものの、周辺の新築マンションも高いことから、買い換えがしたくてもできないというケースがよく見られます。
つまり、買い換え層が動かないことにより、首都圏の新築マンションは希少性が上がり、価格が下がるどころか、より高騰しているということです。

50年近く長期上昇トレンドに乗っている

冒頭で、首都圏の新築マンション価格は、近年高騰し続けているという話をしました。
しかし、実際は近年からではなく、首都圏の新築マンション価格は、50年近く長期上昇トレンドに乗り続けています。
1980年代後半~1991年にかけては、不動産バブルの崩壊で大きな暴落が見られますが、それ以降の首都圏における新築マンションの価格は、長期的に上がり続けています。
実際、不動産バブル崩壊前よりも、崩壊後の方が新築マンションの平均価格は高く、暴落があっても水準は高止まりしたままです。
2021年には、首都圏の新築マンションにおける平均価格が、とうとうバブル期の1990年の価格を超えています。
このようなことから、今後何かしら社会的な問題が発生し、新築マンションの価格が低下したとしても、こちらは一時的なものになる可能性が高いです。

高所得層によって購入されるケースが多い

高額な首都圏の新築マンションは、高所得者によって購入されるケースが多いです。
特に、富裕層の外国人にとっては、非常に人気の物件です。
都心の億単位のマンションであっても、東京の不動産は海外の主要都市に比べれば、リーズナブルな価格で購入できます。
そのため、外国人の方には、投資対象としてとても魅力的に映ります。
また、そのような富裕層の外国人が、セカンドハウスとして新築マンションに住むケースもなくはありませんが、基本的には投資用不動産として購入されます。
なぜなら、値上がりしたとき、すぐに売却できるようにしておきたいからです。
ちなみに、首都圏の新築マンションにおける購入層には、夫婦ともに1,000万円以上の収入があるパワーカップルも含まれます。
こちらは、外国人とは違い、住居としての購入が多いです。
このような世帯は、仕事と家庭、子育てなどのプライベートを両立させるために、職住が接近する都心の高級マンションに住むケースがよく見られます。
その他、高所得者である高齢者が、節税目的として首都圏の新築マンションを購入するケースも増えています。
現金で財産を相続する場合、金額がそのまま相続税評価額となってしまいますが、こちらを不動産に換えることにより、相続税評価額は時価よりもかなり低く算出されます。
このように、多少金額が高くても購入する高所得層が存在し続ける限り、首都圏の新築マンションの価格はなかなか下がりません。

まとめ

ここまで、首都圏の新築マンション価格が下がらない主な理由について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
首都圏では、いまだに新築マンションの価格が最高値を更新し続けていて、特に高所得層における需要はまだまだなくならないことが予想されます。
また、居住する首都圏のマンションを売却する場合でも、多くの売却益を得ることができる可能性が高いです。

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