太陽光発電は、ポピュラーな再生可能エネルギーを利用した発電方法として、一般の住宅でも採用されることが多いです。
しかし、近年はこちらの不公平感が指摘されることも多く、さまざまな議論が行われています。
ここからは、なぜ太陽光発電は不公平なのかについて解説したいと思います。
太陽光発電の概要
太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たることにより、電気が発生する現象を利用し、太陽電池(半導体素子)による直接電気に変換する発電方法です。
日本における太陽光発電の導入量は、近年少しずつ増加していて、導入実績においては中国やドイツとともに、世界をリードしています。
また、太陽光発電によって生み出された電気は、そのまま家庭で使用されたり、災害時の電力として蓄えられたり、売却されたりとさまざまな用途で使用されています。
太陽光発電の不公平感が指摘される理由
太陽光発電は、火力発電などにありがちなCO2の排出がないため、次世代のクリーンエネルギーとして期待されています。
しかし、その反面、さまざまな課題により、不公平な発電方法と揶揄されることもあります。
このように、不公平感が指摘される主な理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・再エネ賦課金の存在
・設置に向いていない住宅がある
・導入コストがかかる
・太陽光発電の導入に伴う自然破壊
再エネ賦課金の存在
太陽光発電が不公平と言われる背景には、再エネ賦課金という制度があります。
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT法)の中で設けられた制度であり、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーで発電された電気について、電力会社が一定期間、一定価格で買い取る際にかかるコストについて、電気を使用する方全体から、幅広く集めることを目的に作られたものです。
つまり、再生可能エネルギーに対する、国民の負担金だということです。
こちらの金額は、一般市民における毎月の電気代から差し引かれていて、こちらに不公平感を抱く方は少なくありません。
また、再エネ賦課金がさらなる不公平感につながっている理由としては、太陽光発電を導入していない一般家庭からも徴収されていることが挙げられます。
さらに言えば、再エネ賦課金は徐々にその金額が高くなっていて、10年前に比べると、およそ15倍にまで膨れ上がっています。
電力事業は、大規模なインフラ建設を行い、再エネに限らず、初期投資には大金が必要になります。
電力会社は、発電や送電などの電気に関連するコストを電気代に上乗せし、国民に転嫁するという手法を取ってきたため、再エネ賦課金が国民負担になること自体は、実はそれほどおかしな話ではありません。
しかし、こちらの制度には設計に難があり、そもそも民家事業者の参入を呼び込み、再エネの導入や促進を図るために、固定価格買い取り制度の買い取り単価が非常に高く設定され、国民の負担は大きくなっています。
設置に向いていない住宅がある
太陽光発電が不公平感と言われる理由としては、設置に向いていない住宅があることも挙げられます。
例えば、北向き一面の屋根や、ソーラーパネルを設置する屋根が小さすぎる住宅などは、満足できる結果が出ないことが考えられます。
また、建築から年数が経っている住宅に関しては、重量負荷に耐えられない可能性があるため、事前にしっかりと調査をしなければいけません。
その他、立地によっては、塩害や積雪など特有の影響により、太陽光発電が困難な場合もあります。
このように、太陽光発電は、設備さえ整えれば誰でも簡単に実践できるというわけではありません。
導入コストがかかる
太陽光発電を新規で導入する場合、パネルを購入して設置するためのコストがかかります。
こちらも、太陽光発電が不公平だと指摘される理由の1つだと言えます。
また、設置するのに必要な基礎、架台を設けるためのコストも必要であり、大規模な太陽光発電になると、土地を取得して造成するコストや、送電網と接続するコストなどがかかることもあります。
2014年以降、太陽光発電における導入コストの面において、大きな改善は見られません。
発電効率に関しては良くなってきていますが、ある程度潤沢な資金を持った家庭でなければ、今後も太陽光発電を実践するのは厳しいと言えます。
太陽光発電の導入に伴う自然破壊
過去には、太陽光発電の導入、再エネのために、豊かな自然が犠牲になるという本末転倒な事例も確認されています。
具体的には、山林を切り崩し、大規模な太陽光発電施設を造成するというものであり、自然界に常に存在するエネルギーを利用するために、自然を破壊するという行為は、不公平や理不尽の最たるものだと言えます。
まとめ
ここまで、太陽光発電の不公平感が指摘される主な理由について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
太陽光発電自体は、再生可能エネルギーを利用したメリットの多いシステムですが、それを取り巻く環境や、導入時の問題などが、現在指摘されている不公平感を生み出しています。
もし、導入を検討している方がいれば、本記事の内容についてはあらかじめ理解していただきたいと思います。