2022年7月10日に行われた参議院議員選挙で、注目を集めた「ごぼうの党」という政党がありました。
選挙では議席を獲得することができませんでしたが、パフォーマンスなどは印象に残ったでしょう。
今後の選挙でも出馬するであろうごぼうの党というのはいったい何なのか、解説します。
ごぼうの党とは?
7月10日に行われた参議院議員選挙では、NHK党から出馬したガーシーこと東谷義和さんをはじめ、注目される点が多数ありました。
その中でも特に印象に残ったのが、過去に例がないようなパフォーマンスを行っていた「ごぼうの党」です。
この団体は、選挙の約1カ月前に立ち上げられたばかりです。
設立から間もないにも関わらず、芸能人を中心として高い関心を集めました。
それは、なぜでしょうか?
まず、ごぼうの党の名前の由来から説明します。
根菜のごぼうは、食べられる部分が1メートル以上あるので、深いところまで実があり、深くまで意味がある、そして根が深いという意味を込めて、名づけられているのです。
立ち上げは、6月8日にツイッターで「ごぼうの党」のアカウントから投稿されたことでした。
そこでは、nayutaというアバターが党首を名乗って主張を訴えていたのです。
このアバターは、実在する脳に難病を抱えた男性がモデルとなっていて、応援のため起用されました。
そして、政策の柱として若者のための政治であり、高齢者のために負担するのではなく奨学金制度の充実や文化芸能活動への支援を行い、若者が幸せになれる社会を目指すという主張をしています。
ごぼうの党はアピール方法が独特で、まず「#ごぼうチャレンジ」というハッシュタグでTwitterに投稿するよう呼びかけました。
それに賛同したのが、芸能界の有名俳優やミュージシャンなどです。
また、街頭演説を行う際は著名人が応援に駆け付け、ゴボウダンサーズと言われる若者たちがダンスでアピールをしていきます。
そして、その様子はインスタライブで生中継されたのです。
グーグルで人気度を調べた時は、登場してから徐々に人気が上がり続け、街頭演説にボブサップ氏が訪れた公示日の6月22日には人気度もピークとなっていました。
その後も、自民党や立件民主党を上回る人気を見せていました。
政党の代表は、奥野卓志という人物でした。
会社を経営している48歳の男性で、街頭演説では天狗の面をつけていたのが印象的です。
なぜ、芸能人が応援するのか
ごぼうの党は、Twitterなどで多くの芸能人が「#ごぼうチャレンジ」のハッシュタグをつけて投稿していることからもわかるように、多くの芸能人が応援していました。
なぜ、芸能人はこの政党を応援していたのでしょうか?
その理由の1つとして、政策に共感したという点があります。
ごぼうの党では、文化・芸能活動への支援を掲げているため、芸能界にもかかわりが深いのです。
また、若者の味方となることを公言していますが、芸能人にとってもファンとなるのはやはり若い人が多いため、その点でも他人ごとではありません。
そこで、芸能人がごぼうの党のアピールをするのです。
芸能人がアピールすることで、その芸能人のファンの若者がごぼうの党に興味を持ちます。
そして、ゴボウの党の得票数が増えれば芸能界や若者に対する支援も手厚くなるでしょう。
つまり、芸能人がごぼうの党を応援することはやがて自分たちのためになり、若者がそれを見て興味を持ち投票するようになれば、若者のためになるのです。
そのため、アピール方法もSNSなどを中心としているのです。
もう1つは、ごぼうの党の代表である奥野氏の人脈です。
最初に応援を始めた芸能人は、奥野氏との個人的なつながりがある人たちです。
仕事のために応援するわけでも、利害関係があるわけでもないのですが、元々深いつながりがある人たちなのです。
こういった人を、奥野氏は友達よりさらに深いつながりがある相手として、同志と呼んでいます。
空中戦を仕掛けたように見えるかもしれませんが、実際には面識がある知り合いから応援してもらっていたのです。
奥野氏は、LINEだけでも3,000人前後の友達がいると言っています。
そういった人たちの中で協力してくれた人とは、残りの人生を助け合いながら生きていこうと考えているそうです。
なお、今回は議席を取ることができませんでしたが、あらかじめ当選した場合は精一杯政治家として頑張るが当選しなくても3年間は諦めずに続けると言っています。
これからさらに活動を続けて、3年後までに議席を獲得することを目指していくこととなるでしょう。
まとめ
ごぼうの党は、一見すると選挙の際に出てくることがある泡沫候補のような政党に思えるかもしれません。
しかし、実際には政治への新たな切り口を掲げる政党であり、多くの会社経営者などが賛同して立候補していたのです。
今回は残念な結果となりましたが、ごぼうの党はまだ活動を終了するわけではありません。
今後の活躍にも、注目しましょう。