ガーシーchから考える法的リスク

時事ネタ

ガーシーchは、芸能人の裏側を暴露するという内容の配信で人気のYouTubeチャンネルです。
芸能界で活躍する人気俳優などの話題やプライベートについて暴露しているのですが、心配されるのが法的リスクです。
参議院議員となったガーシーさんに、どのようなリスクがあるのかを考えてみましょう。

ガーシーchとは?

YouTubeには、様々なチャンネルがあります。
その中の1つのジャンルとして、暴露系チャンネルがあるのはご存じでしょうか?
これは、要するに芸能人などの秘密、プライベートの行動などを話すというものです。

ただし、暴露系チャンネルの内容はそれほど信用されません。
なぜなら、ほとんどが噂話をあたかも本当であるかのように、噂に後付けの理由を付けていって真実を知っているかのように話しているからです。

ガーシーchもそんな暴露系チャンネルの1つですが、他のチャンネルよりも圧倒的に人気が高く、その内容も信頼されています。
それは、なぜでしょうか?

チャンネルを運営しているのは東谷義和という人物なのですが、実はこの人は以前芸能界の裏方である、アテンドとして活躍していました。
アテンドというのは、芸能人の仕事外の世話をする役割のことをいいます。

食事や移動の手配はもちろん、異性を紹介して欲しいと言われたら連絡を取ったり、人を集めて飲み会のセッティングをしたりもしていました。
そういった仕事なので、芸能界の裏側にも深く触れてきたのです。

では、なぜYouTubeでその秘密を暴露することになったのかというと、復讐がその目的としてあります。
東谷さんは以前、芸能界の多くの人に裏切られることがあったのです。

そもそもの始まりは、東谷さんがYouTuberの「ヒカル」さんのキャスティングをすると言って、セッティング費用や広告費などを含めて計132万円を振り込ませたことでした。
お金を受け取ったのに撮影がされず、返金を求められてものらりくらりと先延ばしにしていたのです。

また、その他にも女性に対して、「BTS」と合わせると言ってお金をだまし取っています。
こういった一連の動きについて、ヒカルさんが自身のチャンネル内で糾弾したことで、東谷さんのことは広く知られるようになりました。

そして、そんな東谷さんに対して、以前は世話になっていたのに手のひらを返した芸能人は多数います。
そういった芸能人に腹を立てた東谷さんは、自身でチャンネルを開設して秘密を暴露することにしたのです。

登録者数が開設から10日で10万人、50日で100万人を超えた人気チャンネルですが、現在はそのアカウントが停止しています。
また、東谷さんは参議院議員選挙にNHK党の比例区代表として出馬し、見事当選したのですが、選挙前からドバイにいてまだ帰国していません。

どんな法的リスクがあるのか?

東谷さんがガーシーch内で暴露したことには、何らかの法的リスクがあるのでしょうか?
どのようなリスクがあるのか、考えてみましょう。

まず、公の場で暴露することについては表現の自由という考え方があります。
法律上、報道などを規制することがないよう表現の自由については強く保護されています。
しかし、それと反するようにプライバシー権の侵害、名誉毀損といったものもあるのです。

報道する側がなるべく詳しい情報を伝えようとすると、その当事者が望んでいなくても情報が公開されてしまうことがあります。
そうなると、報道する側とされる側、双方の意見が対立することになるでしょう。

週刊誌などでは、不適切な内容を報道してしまうとバッシングを受け、評価は低くなります。
場合によっては全ての記事の信頼性が下がってしまうので、報道する際は何重ものチェックを行ってから発行しているのです。

しかし、ガーシーchのような個人のYouTubeチャンネルには、そういったチェックがありません。
そのため、内容も変更的になってしまうでしょう。

特に、このチャンネルでは復讐心を露わにして語気激しく話すため、感情的になってしまうことも多く言葉選びも過激になっていきます。
その結果、不適切な表現となってしまった場合は、名誉毀損やプライバシー権の侵害で訴えられる可能性はあります。

しかし、それを訴えて裁判となった場合は、何について争っているのかが世間にも広く伝わってしまいます。
そして、敗訴となった場合はその内容が真実と認められたうえ、得られる物は何もなくなるのです。

例えば、名誉毀損の争点となるのはそれが真実かどうかという点です。
嘘の内容であれば名誉毀損が成立するのですが、真実であれば違法性はあまりないと判断されてしまう可能性が高いでしょう。

プライバシー権の侵害に関しても、そもそもプライバシーと言える内容かどうかという点が挙げられます。
また、裁判の際は東谷さんも反論反証が可能なので、証拠を出されてしまうとさらに苦しくなるでしょう。

そのため、YouTubeで暴露していることについては法的リスクがあるものの、かなり低いと考えられます。
しかし、詐欺罪については被害者が訴えた時点で逮捕される可能性があり、現在帰国を遅らせているのはそれを恐れている、とも言われています。

まとめ

参議院議員選挙でNHK党の比例区から当選した東谷義和さんは、人気のあったガーシーchを運営していたのですが、現在はアカウントが停止されています。
本人も、選挙期間中からオンラインでしか姿を現しておらず、ドバイに行ったまま帰国していません。
YouTubeの暴露については法的リスクが低いものの、その前の詐欺罪に関しては逮捕される可能性が十分にあります。
それを解消して、人々の前に姿を現すのはいつのことになるのでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました