2022年7月10日に行われた参議院議員選挙は、過去のものとは異なる点も多数ありました。
その様子からSNS選挙とも呼ばれましたが、その中で躍進したのが参政党です。
参政党は、どのような政党なのでしょうか?
その特徴について、解説します。
参政党とは?
参政党は、もともと自民党に所属して衆議院議員選挙にも出馬していた、神谷宗幣さんが事務局長を務めています。
その頃の選挙区は東大阪で、当時は安倍晋三さんや小泉進次郎さんも応援演説に駆け付けていました。
そのこともあり、投票日の2日前に阿部元首相が銃撃に倒れてなくなった今回の選挙には、特に思い入れがあったでしょう。
参政党は2020年4月に立ち上げられたばかりの、新しい党です。
今回の選挙では、比例区選挙で1議席の当選となり、神谷宗幣氏が当選となりました。
得票率は有効投票総数の約3.33%に当たる176満票以上でした。
この得票数には、大きな意味があります。
公職選挙法、および政党助成法といった法律には政党要件というものが定められていて、政党と認められるには国会議員が5人以上所属しているか、あるいは選挙で全国の有効投票率の2%以上を獲得する必要があるのです。
そして、これを満たした場合は政党と認められ、政党交付金の支給対象になります。
政党として認められれば、選挙の際に様々な点が有利になるのです。
参政党はそれを満たしたため、今後は政治団体や小政党よりも選挙や政治活動が優遇されることとなります。
参政党の党員数は、立ち上げから2年余りで8万人を超えていて、公式YouTubeチャンネルもチャンネル登録者数が20万人以上となっています。
ホームページ上では支援金の額が公表されていますが、その額も4億3千万円を超えています。
そもそもこの党が立ち上げられたのは、「投票したい政党がないから、自分たちでゼロから作る」という理由です。
そして、3つの重点政策を掲げています。
まず、学力よりも学習力が高い日本人の育成です。
これは、テストの点をよくするのではなく、自分で考えて自分で学ぶ力を高めていくということです。
そのために、フリースクールの在り方を変える法改正医や自尊史観の教育などが考えられています。
2つ目は、食と健康、環境保存において、科学的な物質に依存しない職と医療の実現と、それを支えることができる循環型環境の追求です。
医療費の削減や、化学薬品を使わない農業、先人の知恵を生かした日本版のSDGsの推進などがこれに当たります。
3つ目は、国の守りについてです。
外国勢力が国の舵取りに関与できないような体制づくりを目指すというもので、外国資本による土地や企業の買収が難しくなる法律の制定や、外国人労働者の増加の抑制、新たなデジタル政府通貨の導入などが挙げられています。
こういった政策に期待を抱いた人が参政党に投票した結果、議席の確保と政党としての認可という結果を得ることができたのです。
そして、今の選挙の在り方に沿った方法をとったことも、成功の理由でしょう。
今回の選挙のポイント
今回の選挙は、今までの選挙とは違った点が多く、総合してSNS選挙と呼ばれるような様相を呈していました。
SNSの活用に成功した政党が、議席を増やすことに成功したのです。
先ほども話しましたが、参政党ではYouTubeチャンネルを開設し、そこで政策の詳しい内容や対談、街頭演説の様子などを流していました。
それによって、単に街頭演説をするよりも多くの人に知ってもらうことができたでしょう。
SNSのアカウントフォロワー数は、自民党、公明党、NHK、れいわに次いで5番目に多いとされています。
YouTubeだけなら、3番目に多くなっています。
それだけならそれほど多くないと思うかもしれませんが、忘れてはいけないのが参政党は今回が初めての選挙ということです。
それなのに、共産党や国民、維新などを超えるフォロワー数を獲得しているのです。
参政党と同じくSNSを活用して成功したのが、NHK党です。
ここでは、YouTubeチャンネルで登録者数100万人以上のガーシーこと東谷義和氏を出馬させ、見事当選しました。
今回は、自民党も過去に類を見ないほど動画コンテンツに力を入れていて、選挙期間に入ってからは他の政党を上回る再生数となっています。
今後の選挙でも、SNSの力は無視できないものとなるでしょう。
参政党は、まだ始まったばかりの政党です。
それが今回の選挙では、かなり知名度を上げて成功を収めたと言えるでしょう。
そうなると、今後の選挙ではさらに有利になっていくと思われます。
YouTubeでも、適宜情報を発信していくのが参政党のスタイルです。
参政党について知りたいという方は、まずYouTubeチャンネルの動画をチェックしてみてください。
まとめ
参政党は、今回の参議院議員選挙で1議席を獲得し、得票数で政党要件を超えて政党となりました。
多くの寄付金を集めることにも成功しているため、これからもさらに大きな政党になっていくでしょう。
選挙の成功のカギとなったのが、SNSの活用です。
これからの政党のアピールの場は、YouTubeなどが中心となっていくかもしれません。