ガーシー議員で話題の“懲罰処分”とは?

時事ネタ

ガーシー議員は、暴露系YouTuberとして活動し、その後2022年の参議院議員通常選挙において、NHK党より全国比例で初出馬し、当選を果たしています。
しかし、その後一度も国会に姿を見せないことから、正式に懲罰処分が下されることになりました。
今回は、懲罰処分の概要や、ガーシー議員の処分内容などについて解説します。

懲罰処分の概要

懲罰処分とは、国会議員が地方自治法および会議規則ならびに委員会条例に反し、議会の秩序を乱した場合、議会がその規律と品位を保持するために行い得る措置のことをいいます。
懲罰の対象となるのは、現在議員として在任している者ののみであり、ガーシー議員はこちらに該当します。
また、ここでいう“秩序を乱した場合”は、暴力行為の他、無礼の言を用いる、他人の私生活にわたる言論をする、理由なく会議に出席しないといったケースを指し、汚職や選挙違反、政治資金関係の違反等は該当しないとされています。

懲罰処分の種類

国会議員における懲罰処分には、以下の4つの種類があります。

・公開の議場における戒告
・公開の議場における陳謝
・一定期間の出席停止
・除名

公開の議場における戒告

公開の議場において、議長から当該議員に対し、戒告文を朗読するという処分です。
戒告とは、違反をした当人に戒めを言い渡すものであり、こちらは懲罰処分の中ではもっとも軽いです。

公開の議場における陳謝

公開の議場において、議会が定めた陳謝文を当該議員に朗読させるという処分です。
懲罰処分の中では、下から2番目に軽い処分です。

一定期間の出席停止

会期中の一定の期間(30日以内)を定め、会議への出席を停止するという処分で、懲罰処分の中では2番目に重い処分です。

除名

議員の身分を剝奪するものであり、もっとも重い懲罰処分です。
企業でいえば、懲戒処分の中で最も重い懲戒解雇に近いものであり、除名された政治家は、その政党の所属ではなくなります。
また、一部例外はあるものの、原則として復党が認められることもありません。

ガーシー議員の処分内容について

国会への欠席を続けるガーシー議員に対し、参議院は4種類ある上記の懲罰処分のうち、下から2番目に軽い“公開の議場における陳謝”を科すことを決定しました。
具体的な流れとしては、まず懲罰委員会の鈴木議員(日本維新の会)が審査の経過を報告しました。
その後、NHK党の浜田製作調査会長が「ガーシー議員は、昨年海外から議員活動をすると公言して当選した」と弁明しましたが、続く採決において、NHK党を除く与野党の賛成多数により、ガーシー議員の懲罰処分が正式に決定しています。
ちなみに、国会への欠席を理由に懲罰処分となるのは、ガーシー議員が初めてです。
また、NHK党は、「ガーシー議員が帰国して議場での陳謝に応じる可能性はない」としていますが、応じない場合は、再び懲罰委員会において、もっとも重い除名とすることも含め、検討が行われる見直しです。

ガーシー議員の動きについて

ガーシー議員は、正式に公開の議場における陳謝という懲罰処分が下されたことを受け、今月27日午前、滞在先の海外から帰国し、次回の参院本会議に出席し、陳謝に応じることを表明しました。
同日、ガーシー議員の渡辺文久秘書が、参院議院運営委員会の石井準一委員長に「本会議へ出席し、院議に従い、陳謝文を朗読致します」とする文書を手渡しています。
そのため、表明通りガーシー議員が帰国し、参院本会議で陳謝を行えば、議員の身分を失う除名は回避できる見通しとなりました。

もし出席しなければ本当に除名される?

ガーシー議員の処分内容の項目で少し触れましたが、NHK党はガーシー議員が帰国しないという旨の発言をしています。
そのため、本人が陳謝を行うと公表しているからといって、必ずしもそれが現実になるとは限りません。
また、次回の参院本会議に出席しなかった場合、除名処分となることも考えられますが、実際は即座にこちらの処分が下される可能性は低いです。
なぜなら、現行憲法下での除名の事例は過去2例しかなく、いずれも今から約70年も前のことであるからです。
つまり、ガーシー議員に対する除名という処分が本当に相応なのかどうか、慎重に検討される可能性が高いということです。

国民の声について

ガーシー議員は、陳謝という懲罰処分を受け入れるとしていますが、国民の声は厳しい内容のものが多いです。
具体的には、「謝っただけで済む問題ではない」「普通の会社ならクビ」「このレベルの議員を解任できないのは問題」といった声です。
また、一度国会を訪れたとしても、その後また出席しなくなったり、議員としての職務をまっとうしなくなったりすることを懸念している方も多いです。

まとめ

ここまで、ガーシー議員の懲罰処分や、それに対するガーシー議員の反応などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
今回、陳謝を受け入れることで、除名は免れる可能性が高いガーシー議員ですが、院内や世間の風当たりは厳しいままです。
本当に注目すべきなのは、陳謝のために帰国した後、どのように反省の様子を見せていくかだと言えます。

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