なぜ大阪では維新が強いのか?

時事ネタ

2023年4月9日、各地で統一地方選が投開票され、大阪府知事選、大阪市長選、大阪府議選、大阪市議選の4選挙は、いずれも維新の圧勝という結果になりました。
今回は、こちらの地方統一選における詳細と、大阪においてなぜこれほど維新が強いのかを中心に解説したいと思います。

今月に行われた地方統一選の結果について

冒頭でも触れた通り、今月4月9日に行われた地方統一選では、大阪府知事選、大阪市長選、大阪府議選、大阪市議選の4選挙で維新が圧勝しました。
特に府知事選と市長選は、NHKが投票を締め切った20時と同時に当確を打っています。
維新が2つ首長選を制したことにより、今後4年間は維新政治が継続されることになりました。
一方で、全国規模でいうと圧倒的な議席数を誇る自民党は、大阪で苦戦し、候補者が小選挙区で1つも議席を獲得できないという前代未聞の結果に終わっています。

大阪で維新が強い理由

では、なぜこれほど大阪では維新が躍進しているのでしょうか?
考えられる理由としては、以下のことが挙げられます。

・吉村府知事の人気
・岸田政権との対立構図の発信
・大阪への定着

吉村都知事の人気

大阪で維新が強い理由の1つとしては、なんといっても副代表である吉村都知事の人気が挙げられます。
吉村都知事が応援演説を行う際は、どこであっても人だかりができ、平日の夜に行われた応援演説でも、複数の列ができるほどの人気でした。
また、吉村都知事は、2019年の知事就任後、日本維新の会副代表に就任していますが、その後も大阪都構想の住民投票、精力的なコロナ対応などを経て、維新の顔になっていて、知名度も圧倒的に高いです。

岸田政権との対立構図の発信

大阪で維新が躍進している理由としては、今回の地方統一選において、岸田政権との対立構図を発信したことも挙げられます。
吉村都知事は、岸田政権の“新自由主義からの脱却”という主張に対し、「岸田さんで日本が良くなると思えない」と、明確に批判色を強めました。
これにより、“改革を先送りにする古い自民VS改革政党の維新”という対立構図ができあがり、吉村都知事はそれを積極的に発信しました。
結果的に、このような構図が、与党批判党の有効な受け皿にもなったと感じられます。

大阪への定着

大阪で維新が強い理由としては、政党として完全に大阪に定着しつつあることも挙げられます。
大阪維新の会は、立ち上げからすでに11年が経過していて、これまでに首長や地方議員も増加し、一体となって応援できる体制が整ってきています。
また、大阪の候補者には、府議や市議で経験を積んだ人物が複数存在することも多く、大阪での実績をもとに戦える候補者を並べています。
実際、地方統一選での演説に足を止めた有権者の中には、大阪での維新の実績に一定の評価を置く声も多いです。

大阪における維新の課題について

前述の通り、大阪において維新は十二分に強みを発揮していて、大阪の利益を代表する政党として定着しつつあります。
しかし、これまで行ってきた活動がすべて正しかったとは言えず、結果に伴わない施策を極力減らすことが、大阪における維新の課題だと言えます。
過去の失敗例としては、以下のようなことが挙げられます。

・コロナによる死亡者の増加
・定額給付金の支給遅れ

コロナによる死亡者の増加

吉村都知事は、コロナ第4波に先立つ感染拡大初期の頃、全国に先駆けて司令塔の一元化を実施しました。
また、自粛要請と解除の基準を客観的な数値で示す大阪モデルの策定や、重症者向けの臨時施設である大阪コロナ重症センターの開設など、精力的に活動してきました。
しかし、大阪におけるコロナ死亡者はなかなか減少せず、結果的に現在は全国平均を大幅に上回り、都道府県別では最多となっています。
こちらは、維新政治の結果が出なかった典型的な例だと言えます。

定額給付金の支給遅れ

コロナによる経済的影響への緊急経済対策の一環として、2020年には特別定額給付金が全国民に支給されました。
しかし、大阪はこちらの支給スピードが全国で最下位であり、数多くの国民から避難されることになりました。
こちらは、支払いや書類の確認手続きを委託する事業者との準備が不十分だったことや、不備や二重申請への対応に想像以上の時間がかかったことなどが理由であり、維新としては大きな失敗であったと言えます。
ちなみに、大阪は大都市であるため、当初はこちらも支給スピードが遅れた理由とされていましたが、札幌市や神戸市、福岡市といった他の大都市がスムーズに支給を行っていることから、必ずしも都市の大きさだけが支給スピードを左右しているとも言えない状況でした。

まとめ

ここまで、大阪における維新の強さの理由を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
吉村都知事の人気と独自の政策がある限り、維新はこれからもしばらくの間、大阪を代表する政党として活動することが予想されます。
また、大阪以外の地方においても認知、支持されるかどうかが、維新における政党としての今後に大きく影響していくでしょう。

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