ここ最近、毎日のように目にする“新型コロナウイルス”のニュース。
少しずつ日本人感染者の数も増加しているこのウイルスに対して、不安を抱いている方も多いでしょう。
今回は、今一度新型コロナウイルスがどんなウイルスなのかについて解説しますので、詳しく知りたいという方はぜひご覧ください。
新型コロナウイルスの概要
昨年12月、中国湖北省武漢市を中心に発生し、わずかな期間で猛威を振るっているのが新型コロナウイルスです。
正式名称は“2019-nCoV”といい、感染すると死亡する可能性もある肺炎を引き起こしてしまいます。
ただ、新型コロナウイルスについて現在わかっていることは、人から人に感染するということぐらいであり、どれくらい体内で潜伏するのか、感染経路は何なのかなど、わからないことはまだまだ多いです。
まさに、新型のウイルスですね。
2020年2月現在、中国における新型コロナウイルスによる死者は630人以上にも上っており、これは2003年に同じように流行した“SARS(重症急性呼吸器症候群)”をも凌ぐとされています。
なぜ発生したのか?感染の原因は?
先ほども触れたように、新型コロナウイルスは中国湖北省武漢市を中心に発生しました。
細かく言うと、武漢市にある魚介類の卸売市場(華南海鮮城)で突然集団発生したため、その場所に発生の原因があるとされています。
また、中国に足を運んでいない人は感染しないのかというと、もちろんそんなことはありません。
新型コロナウイルスは人から人に感染するものであり、飛沫感染(ウイルスが咳、くしゃみなどによって空気中に飛び出し、それを吸い込んで感染するケース)と、接触感染(感染者の唾液や痰などに触れたりすることで感染するケース)によって感染します。
どのような症状が出るのか?
新型コロナウイルスに感染すると、発熱や喉の痛み、咳、痰など、一般的な肺炎の症状が見られるようになります。
ただ、やはり新型のウイルスということもあり、一般的な肺炎では見られない症状が出ている感染者も多く確認されています。
具体的には、以下のような症状です。
下痢
吐き気
頭痛
倦怠感
筋肉痛 など
診断方法や治療方法は?
新型コロナウイルスに感染しているかどうかは、現在各自治体の地方衛生研究所、国立感染症研究所における遺伝子検査によって診断されています。
また、検査の結果、感染している可能性がある場合は、新たに血液や痰を検査して、本当に感染しているのかどうかを確認します。
この他にも、胸部のX線検査やCT検査などが行われています。
ちなみに、治療方法に関しては、まだ確立されていません。
感染経路や潜伏期間など、具体的にわからないことが多いため、これは致し方ないことです。
そのため、現在は治療と言っても、解熱剤や酸素投与など、1つ1つの症状を改善するための治療しか行われていません。
ただ、既存の治療薬によって臨床試験が行われていたり、ワクチンや治療薬の開発が進められていたりと、少しずつですが治療方法を確立させようという動きは見られるようになっています。
どうやって感染を防止するのか?
新型コロナウイルスは人から人に感染するため、中国に訪れていない方にも感染の可能性はあります。
では、どうやって感染を防止すればいいのでしょうか?
① 手洗い
例えば、電車のつり革やドアノブなど、不特定多数の人が利用するものに触れることで、ウイルスを持ち帰ってしまう可能性があります。
そのため、外から帰宅した際には必ず手洗いをし、調理前や食事前にも同じように手を洗うことが効果的とされています。
② 適度な湿度を保つ
空気が乾くと、喉の粘膜における防御機能が下がり、ウイルスに感染しやすくなってしまいます。
そのため、室内では加湿器などを使用し、常に50~60%の湿度を保っておくのが効果的です。
③ マスクを着用する
マスクを着用すれば、外部からのウイルス等が体内に入り込むのをある程度防いでくれます。
ただ、実は皆さんが思っている以上に、マスクには大きな効果がないと言われているのも事実です。
感染対策としてのマスクは、あくまで屋内や乗り物など換気が不十分な場所で、なおかつ混み入った場所で大きな効果を発揮するものであるため、「マスクを付けていれば大丈夫」と考えるのはおすすめできません。
検査を受けた方がいい人は?
以下に該当する方は、最寄りの保健所に連絡し、新型コロナウイルスに感染しているかどうかの検査を受けましょう。
37.5℃以上の発熱がある方
咳などの呼吸器症状がある方
武漢市を含む湖北省への渡航歴がある方
武漢市を含む湖北省への渡航歴があり、発熱および呼吸器症状がある人との接触歴がある方
また、保健所に訪れる際、発熱や咳などの症状がある方は、必ずマスクを着用しましょう。
現在の感染者数、死亡者数は?
2020年2月現在、日本における新型コロナウイルスの感染者数、死亡者数は、一体どれくらいいるのでしょうか?
感染者数 | 死亡者数 | 感染者のうちの有症状者数 | 感染者のうちの無症状者数 |
25人 | 0人 | 22人 | 3人 |
無症状者とは、新型コロナウイルスの症状は出ていないものの、病原体を保有している方のことを指しています。
では、世界各国における現在の感染者数、死亡者数はどうでしょうか?
国、地域 | 感染者数 | 死亡者数 |
中国 | 31,161人 | 636人 |
香港 | 24人 | 1人 |
マカオ | 10人 | 0人 |
台湾 | 16人 | 0人 |
タイ | 25人 | 0人 |
韓国 | 23人 | 0人 |
アメリカ | 12人 | 0人 |
ベトナム | 10人 | 0人 |
シンガポール | 28人 | 0人 |
フランス | 6人 | 0人 |
オーストラリア | 15人 | 0人 |
マレーシア | 14人 | 0人 |
ネパール | 1人 | 0人 |
カナダ | 5人 | 0人 |
カンボジア | 1人 | 0人 |
スリランカ | 1人 | 0人 |
ドイツ | 13人 | 0人 |
アラブ首長国連邦 | 5人 | 0人 |
フィンランド | 1人 | 0人 |
イタリア | 2人 | 0人 |
インド | 3人 | 0人 |
フィリピン | 3人 | 1人 |
イギリス | 3人 | 0人 |
ロシア | 2人 | 0人 |
スウェーデン | 1人 | 0人 |
スペイン | 1人 | 0人 |
ベルギー | 1人 | 0人 |
こうして見ると、発生源である中国は、感染者数、死亡者数ともに圧倒的に多いことがわかります。
ちなみに、現在中国以外で死亡者が出ているのは香港とフィリピンだけですが、この2国より感染者数が多い国は数多く存在するため、まだまだ予断を許さない状況です。
もちろん、それは日本も例外ではありません。
国の対策について
厚生労働省は、当面の間、14日以内に湖北省における滞在歴がある外国人、湖北省発行の中国旅券を持つ外国人の入国を拒否するとしています。
また、新型コロナウイルスへ感染の疑いがある方に対して、空港や港湾の検疫所において、感染していないかどうかの確認を行います。
具体的には、検疫法で認められている質問、診察や検査、消毒などが行われています。
また、中国全土で新型コロナウイルスが流行していることを受けて、中国からの到着便、到着船について全員質問票による聞き取りを行うといった対策もされています。
そして、新型コロナウイルスへの感染については、感染症法に基づき、感染者などに対する入院措置や、それに伴う医療費は原則として公費負担となる“指定感染症”に指定しています。
その他の対策についても、厚生労働省のホームページで随時情報が更新されているため、対策の幅は少しずつ広がりつつあります。
まとめ
ここまで、世界中を恐怖と不安に陥れている新型コロナウイルスについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?
発生源とされる中国では、毎日のように数十人単位の死亡者が出ており、世界中における死者数が1,000人を超える日も、そう遠くないとされています。
そのため、日本に住む方々は、正しい情報を聞き入れ、適切な対策を取るように心がけましょう。