ガーシー議員にも適用される“不逮捕特権”について

時事ネタ

国会議員は、国会の話し合いなどにおける決定権(議席)を持つ人物であり、主に法律案の作成や審議、法律の制定や予算の決定などを行っています。
また、国会議員には、“不逮捕特権”という少し変わった特権があります。
今回は、こちらの概要とあわせて、話題のガーシー議員との関連性について解説します。

不逮捕特権の概要

国会期間中、国会議員が逮捕されないという特権を不逮捕特権といいます。
こちらは、日本国憲法第50条に定められているもので、法律よりも優先されるため、国会議員はいくら法律違反を犯しても、国会期間中に逮捕されることは原則ありません。
また、不逮捕特権には、会期前に国会議員が逮捕された場合、その議員の要求があれば、逮捕した議員を会期中に限り釈放しなければならないという決まりもあります。
ちなみに、ここでいう逮捕は、刑事訴訟上の逮捕よりも広義であり、行政措置上の身柄の拘束まで含まれています。

不逮捕特権が存在する理由

なぜ、国会議員にのみこのような特権が存在するのかというと、その背景には歴史的に君主、政府に反抗した議員が、不当に逮捕されていたということがあります。
このような状況を野放しにしていると、国会議員が民意を反映させるための活動を十分に行うことが困難になり、常に政府に従う者が優勢となります。
また、こちらは政府に有利な法の制定や執行を加速させるものであり、その中には政府にとって恣意的なものが含まれる可能性もゼロではありません。
これらの理由から、国会議員の身体の自由については、不逮捕特権により確保し、審議への自由な参加を許可しなければいけないとされています。

話題のガーシー議員について

ガーシー議員(本名:東谷義和)は、暴露系YouTuberとして一躍話題になった人物です。
1995年頃から、芸能界の裏方としてアテンドをしていたことから、さまざまな芸能関係者とのつながりがあり、バーや芸能事務所、アパレル会社などを経営していたという経歴もあります。
そんなガーシー議員は2022年5月、自身のチャンネルの生配信において、第26回参議院議員通常選挙比例代表に立候補することを発表しました。
そして迎えた7月の参議院選挙で見事初当選を果たし、議員として活動することになったのです。
しかし、暴露系YouTuberとして知名度を高めたガーシー議員が選挙で当選したことに対し、世間ではさまざまな意見が乱立しました。

ガーシー議員が起こした問題について

ガーシー議員は、世間の不安が的中するかのように、さまざまな問題を起こしています。
まず、ガーシー議員は、参議院選挙に当選したものの、当選後もアラブ首長国連邦のドバイにとどまり続け、一度も国会には当院していません。
また、2022年末には、動画投稿サイトなどでガーシー議員から中傷や脅迫を受けたなどとして、複数の著名人らが刑事告訴に踏み切っています。
中には、企業がガーシー議員の暴露動画のために、事業から撤退を余儀なくされたケースもあったとされ、警視庁は威力業務妨害容疑での立件も視野に入れて捜査を進めていました。
そして、2023年1月、ついに警視庁はガーシー議員の関係先に家宅捜索を行いました。
ガーシー議員が得てきた広告収入を管理している会社関係者の自宅など、数ヶ所に捜査員が入っています。
これを受けてガーシー議員は、2022年12月の動画配信において、3月上旬に帰国し、警視庁の事情聴取を受け、国会に当院する意向を明らかにしています。

ガーシー議員にも不逮捕特権が適用される?

では、上記のような問題を起こしたガーシー議員にも、不逮捕特権は適用されるのでしょうか?
結論からいうと、不逮捕特権が適用される可能性は極めて高いです。
不逮捕特権は、院外の現行犯逮捕などを除き、原則として認められる特権です。
特定の国会議員を司法当局が逮捕するためには、逮捕許諾請求を内閣に提出し、閣議決定の後、国会の議決を経なければならず、そのハードルは非常に高いです。
また、そもそも名誉棄損罪での立件は、起訴されるにしても在宅起訴になるケースが多く、現職の国会議員が脅迫罪で逮捕された前例は、これまで1件もありません。
その他、ガーシー議員が事情聴取に応じる意向を示している点や、隠蔽する証拠らしい証拠もさほどあるわけではない点を踏まえると、警察がガーシー議員を逮捕する必然性は現時点ではほとんどなく、処分があったとしても、書類送検となる公算の方が大きいとされています。
ただし、ガーシー議員側が警察の捜査を妨げるようなことを繰り返したり、逃亡する可能性があると警察が判断したりする場合は、その限りではありません。

まとめ

ここまで、ガーシー議員にも適用される国会議員の不逮捕特権について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ガーシー議員は、当初「帰国すれば逮捕される」と話していましたが、3月の帰国を宣言していることを考えると、現在は不逮捕特権により、逮捕されないという認識を持っていると推測できます。
今後こちらの問題がどう解決していくのか、その動向からは目が離せません。

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