新型コロナウイルス感染拡大の勢いは、ピーク時に比べてかなり弱くなっています。
ただ、ここでまた以前と同じような生活を送ると、“第2波”が訪れるリスクが高まってしまいます。
そこで、国民に求められるのが、厚生労働省が発表した“新しい生活様式”の実践です。
今回はこれについて詳しく解説しましょう。
新しい生活様式の概要
東京などの大都市では、いまだに1日数十人程度のコロナ感染者が確認されていますが、ピーク時には200人を超えていたことを考えると、その勢いはかなり収まっているといえます。
また、全国的に見ても、コロナの感染者が限定的になっているエリアは数多くあり、そのようなエリアでは、今後コロナとの戦いが長丁場になることを防ぐため、感染拡大防止を意識した行動をもとにした生活をすることが望ましいとされています。
この“感染拡大防止を意識した行動をもとにした生活”が、新しい生活様式です。
これは、コロナの専門家会議からの提言を踏まえて作成されたもので、国民はしばらくの間実践する必要があります。
いつまで新しい生活様式を取り入れるべきなのかに関しては、今のところ明確ではありませんが、国民1人1人が感染拡大防止を意識して生活することで、コロナの勢いが完全な収束に向かっていくことは確かです。
新しい生活様式を構築する4つの要素
新しい生活様式は、以下の4つの要素で構成されています。
①基本的な感染対策
②基本的な生活様式
③場面別の生活様式
④新しい働き方
それぞれ具体的に見てみましょう。
①基本的な感染対策
基本的な感染対策とは、コロナ感染拡大の勢いがピークのときから、国民が実践していた以下のような対策を指します。
人との間隔を最低1m(できれば2m)空ける
なるべく屋外よりも屋外で遊ぶ
なるべく真正面での会話はしない
屋内、屋外に関わらず、基本的にはマスクを着ける(無症状の場合も含む)
帰宅後はすぐに手洗い、洗顔をする
帰宅後はすぐにシャワーを浴びて着替える
手洗いは30秒程度、水と石鹸を使用して丁寧に行う(消毒用アルコールなどの使用も可)
感染者が多いエリアからの移動、感染者が多いエリアへの移動は控える
帰省や旅行はなるべく控える(出張もできるだけ控える)
どこで誰と会ったかを記録しておく
エリアごとの感染状況に気を配る
これらのことを国民1人1人が実践すれば、必然的にコロナ感染リスクが高い場所、環境は少なくなります。
また、高齢者あるいは持病を持っている場合、もしくはそのような方と接触する場合は、より厳重な体調管理を意識しなければいけません。
②基本的な生活様式
基本的な生活様式とは、日常生活において意識すべき生活の形を指します。
前述の“基本的な感染対策”と内容が似ているところもありますが、しっかり押さえておきましょう。
こまめに手洗い、手指消毒をする
咳エチケットを徹底する
こまめに部屋を換気する
身体的距離を確保する
3密を避ける(密集、密接、密閉)
毎朝体温測定、健康チェックをする
発熱等の症状がある場合は、無理をせずに自宅で療養する
ちなみに、上記の“咳エチケット”とは、コロナを始めとする感染症を他人に感染させないために守るエチケットのことをいいます。
具体的には、マスクを着用する、咳・くしゃみをする際にティッシュやハンカチ、袖で口を覆うといったエチケットですね。
特に、電車や職場、学校など、多くの人が集まる場所では、必ずこの咳エチケットを守らなければいけません。
逆に、咳やくしゃみを手で押さえたり、まったく口を覆わずに咳・くしゃみをしたりすると、感染拡大のリスクは高まってしまいます。
③場面別の生活様式
ここまでの内容は、基本的にはどのような場面でも意識すべき生活様式ですが、よりコロナ感染拡大を防ぐためには、各シーンに合わせた生活様式も意識しなければいけません。
具体的には以下の通りです。
①ショッピング
通販サイトを積極的に利用する
店舗には1人、あるいは少人数で空いている時間に行く
電子決済を積極的に利用する
事前に計画して手短に済ます
商品のサンプル等にはなるべく触らない
レジに並ぶときは前後の距離を空ける
②娯楽、スポーツ
公園に行く際は空いている時間、場所を選ぶ
トレーニングはなるべく自宅で行う(動画等を活用する)
ジョギングは少人数で行う
すれ違う際はなるべく距離を取る
施設は予約してゆっくり利用する
狭い部屋に長時間いるのは避ける
歌、応援をするには周りの人の十分に距離を取る(もしくはオンラインで行う)
③交通機関
会話は最小限に抑える
混雑している時間をなるべく避ける
徒歩、自転車を積極的に利用する
④食事
テイクアウト、デリバリーを積極的に利用する
屋外も利用する(テラスなど)
大皿は避け、1人用の皿で食べる
なるべく横並びで座る
食事中の会話は抑える
ドリンクの回し飲みを控える
⑤冠婚葬祭等
大人数での食事を避ける
風邪の症状が出ている場合は参加を控える
④新しい働き方
コロナ感染拡大によって、大きく環境が変わった企業は数多くあるでしょう。
また、新しい生活様式でも、企業にはコロナを意識した新しい働き方の実践が求められています。
具体的には以下の通りです。
テレワークを実施する
ローテーション勤務を実施する
時差通勤で大人数が集まるのを避ける
オフィスは広々と利用する(机、席の間隔を空ける)
会議はオンラインで行う
名刺交換はオンラインで行う
対面での打ち合わせはマスク着用、換気を徹底する
ちなみに、コロナ感染拡大の対策は、業務の効率化に繋がることもあります。
したがって、企業はこの機会に、大幅な業務形態の変更に着手するにも良いでしょう。
新しい生活様式を意識した熱中症対策
これから、日本はどんどん熱い時期に突入していきますが、新しい生活様式を意識しながらの熱中症対策は、一体どのように取れば良いでしょうか?
①暑さを避ける
換気扇等で換気しながらエアコンを利用する
暑い日、暑い時間帯は無理をしない
なるべく涼しい服装を心掛ける
急激に気温が上がった日は特に注意する
②状況に応じてマスクを着脱する
気温、湿度が高い中でのマスク着用には注意する
屋外で人と2m以上距離が確保できる場合はマスクを外す
マスク着用時は、負荷のかかる作業や運動を避ける
③こまめに水分補給をする
喉が渇き切る前に水分を摂る
1日あたり1.2ℓ程度の水を飲む
汗をかいた後は塩分も併せて補給する
④健康管理をする
毎日体温測定、健康チェックをする
体調が悪い日は無理をせずに自宅で療養する
⑤身体作りをする
暑さが本格的になる前に適度な運動をする
無理のない範囲で身体を鍛える
“少し暑い”あるいは“少しつらい”と感じる強度で、毎日30分程度トレーニングをする
高齢者の方や障害を持つ方、または幼い子どもは、熱中症になりやすいです。
したがって、コロナ対策も意識しつつ、熱中症対策を取るのも忘れてはいけません。
また、周囲に熱中症対策ができていない高齢者、子ども等がいれば、3密を避けつつ積極的に声掛けをしましょう。
まとめ
ここまで、厚生労働省が発表した“新しい生活様式”の全容を解説してきましたが、いかがでしたか?
コロナの勢いが弱まっていることで、以前よりかなり対策を意識する方は減っていますが、まだ感染リスクは十分に残っています。
また、これからの時期は、コロナ対策と併せて熱中症対策を意識しなければいけないため、より豊富な知識が必要となります。