2類→5類に変更すると、国民生活はどう変わるのか?

時事ネタ

感染症法では、あらゆる種類の感染症について細かく分類されています。
世界中でパンデミックを起こした新型コロナウイルスは、現在上から2番目の2類相当に分類されていますが、この度5類に移行することになりました。
今回は、こちらの方針の詳細と、移行による国民生活の変化について解説します。

感染症法上の2類感染症とは?

感染症状の2類感染症とは、感染力や罹患した場合の重篤性から判断し、危険度が高いとされる感染症で、具体的には結核、重篤急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)などが該当します。

感染症上の5類感染症とは?

5類感染症とは、国が感染等の発生動向の調査を実施し、その結果などについて国民や医療従事者に共有することで、発生や防止すべき感染症です。
感染症の中では、感染力や重篤性などに基づく総合的な観点から見た危険性が、もっとも低いされるものです。
具体的には、以下のようなものが該当します。

・季節性インフルエンザ
・麻疹
・後天性免疫不全症候群
・感染性胃腸炎(ロタウイルス)
・細菌性髄膜炎 など

新型コロナウイルスの2類から5類移行について

2023年1月27日、政府は新型コロナウイルス対策本部を開き、こちらには岸田総理大臣や加藤厚生労働大臣らが出席しました。
また、この中で岸田総理は、新型コロナウイルスの感染法上の位置づけについて、厚生労働省の審議会の意見を踏まえ、特段の事情が生じない限り、5月8日から5類感染症とする方針を確認したことを述べました。
移行前、改めて専門家の意見を聞き、予定通り実施するかどうか、最終的な確認を行うとのことです。
移行時期が5月8日となったことについては、自治体や医療機関などから準備期間が必要であるという声が上がっていたことが挙げられています。
その他、大型連休前の移行では、人の往来が増えて感染が拡大する懸念があったこと、医療機関の負担が増加することも、こちらの時期での移行に踏み切った理由です。
ちなみに、このような移行を受けて、小売業界や飲食業界、鉄道会社や航空会社も、ガイドラインや感染対策の見直しを検討しています。

2類から5類への変更で生じる国民生活の変化

新型コロナウイルスが、これまでの2類相当から5類に変更されることで、以下のようなあらゆる国民生活の変化が生じます。

・行動制限
・医療機関の対応
・公費負担
・水際対策
・感染者の報告
・マスクの着用
・ワクチン接種
・イベントの開催

行動制限

これまで当然のように行われてきた行動制限ですが、新型コロナウイルスが2類から5類に移行すると、政府はこちらが実施できなくなります。
具体的には、緊急事態宣言や入院勧告・指示、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請が不可能になり、国民はより自由度の高い生活が実現できます。

医療機関の対応

2類の場合、新型コロナウイルス感染者の入院、診察については、指定医療機関など一部の医療機関だけでしたが、5類に移行すれば、幅広い医療機関で対応することが可能です。

公費負担

新型コロナウイルス感染による入院費、検査にかかる費用などは、これまで全額公費負担されてきましたが、5類に変更された後は、一部が自己負担になります。
ただし、受診控えが起こることなども懸念されるため、当面は公費での負担を継続し、少しずつ段階を踏んで見直していく方針です。

水際対策

政府はこれまで、海外から日本に入国する人に対し、3回新型コロナウイルスのワクチン接種を受けている証明書の提出などを求めてきましたが、5類に変更されると、このような水際対策を取ることはできなくなります。

感染者の報告

医療機関や保健所は、これまで新型コロナウイルスの感染者について、すべての事例を政府に報告しなければいけませんでしたが、5類移行後は、原則基幹病院からの定点報告に変更されます。

マスクの着用

現在、マスクについては屋内でのみ着用が推奨されています。
一方、新型コロナウイルスが5類に変更されると、マスク着用は個人の判断に委ねられることになります。

ワクチン接種

新型コロナウイルスのワクチン接種は、予防接種法に基づき、これまで無料で進められてきました。
こちらの内容に関しては、5類移行後どのようになるかまだ検討中ですが、政府は必要な接種のみ、引き続き無料で受けられるようにするとしています。

イベントの開催

ライブやスポーツ観戦など、大声を伴うイベントに関しては、客数を定員の50%にすることで開催が認められていましたが、コロナの5類移行後は、対策を行う場合に限り定員の100%で開催できることとなっています。

まとめ

ここまで、新型コロナウイルスが2類から5類に移行することで、国民生活はどう変わるのかを中心に解説してきました。
国民はこれまでと比べ、自由度が高く、コロナ感染拡大前に近い生活を送ることができるのは確かです。
しかし、その分感染リスクは高くなる上に、適宜自己判断を行う必要があるため、こちらの移行が適切なのかそうでないのかについては、実際移行されるまで誰にもわかりません。

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