美人で有名な「お市の方」

歴史

戦国時代には、多くの特徴ある人が活躍していました。
その中で、戦国を代表する美女と呼ばれる女性の1人が、お市の方です。
非常にドラマチックな人生を送ったものの、周囲の人々のキャラが濃すぎて中々主役にはなれません。
お市の方は、どのような人物だったのでしょうか?

お市の方の生涯

お市の方は、戦国時代を代表する有名な戦国武将、織田信長の妹です。
通説によると1547年、天文16年の生まれとされていますが、定かなものではありません。

織田信長の父、織田信秀と継室の土田御前との間に生まれた五女とも言われているのですが、これも定かではありません。
この通説が正しいものであれば信長、信行、秀孝、お犬の方とは全員同じ母から生まれた兄弟となります。

そして、浅井長政の妻としても有名です。
織田信長は天下統一を目指して様々なところに攻め込みましたが、その中で美濃の斎藤龍興の攻略が難航したことから、斎藤と対立していた浅井長政に同盟を申し込んでお市の方を嫁がせたのです。

お市の方は、信長に大変気に入られていました。
模試男だったら良い武将になっただろうとも言われ、浅井長政のことも武勇と知略を兼ね備えているとして同じく気に入っていたため、婚姻については非常に喜んでおり婚礼資金も全額支払ったと伝えられています。

政略結婚ではありましたが、夫婦仲は非常に良かったと言われています。
幸せに暮らすお市の方でしたが、それも長くは続きませんでした。
信長は、浅井家と長い間深い仲にあった朝倉家に1570年、攻め入ったのです。

朝倉軍を相手に優位を保ちながら戦っていた織田軍はさらに進軍していったのですが、そこで浅井長政が裏切り、挙兵して織田軍に攻撃を加えたのです。
この戦いは金ケ崎の戦いと呼ばれ、信長が敗走した戦いとして有名になりました。

なぜ裏切ったのかというと、浅井長政は朝倉家の朝倉義景と同盟を組んでいたので、朝倉を責めるのであれば事前に連絡をしてくれるよう織田信長と約束していたのです。
しかし、信長は事前連絡なしで朝倉に攻め入ったため、約束を破られた浅井は信長に攻撃したのです。

その時、信長は妹が嫁いだ浅井が攻めてくるとは思っていなかったのか、朝倉を攻める際に浅井の領土の北近江を通過しています。
そのせいで、浅井に背後をつかれ挟み撃ちにされてしまったのです。

この時、お市の方の有名な逸話が生まれています。
金ケ崎の戦いで、お市の方は信長に対して、両端をひもで結んだ小豆袋を陣中見舞いに届けたと言われています。

この小豆袋は、朝倉と浅井に織田軍が挟まれ、袋のネズミになっていることを表しているのです。
朝倉家記に記されているものの、創作だという意見が大半を占めています。

戦国時代において、女性が重視するのは近家ではなく生家だと言われていて、お市の方は織田軍から浅井家へと送り込まれた外交官であり、スパイでもあったのです。
しかし、織田家と対立することになった後でも、夫婦仲は円満だったと言われています。

お市の方は、浅井三姉妹として知られる茶々、初、江の生みの親です。
このうち、初と江は金ケ崎の戦いより後に生まれています。
そこからも、織田家の裏切りが夫婦仲に亀裂を入れることにはならなかった、ということが分かるでしょう。

浅井長政の死後

その後の姉川の戦いにおいて、織田・徳川連合軍に挑んだ浅井・朝倉連合軍は破れ、浅井長政とその父である久政は1573年の小谷城陥落の際に自害しています。
お市の方は、浅井さん姉妹と共に救出され、織田家に引き取られることとなりました。

その後、織田信長が亡くなると柴田勝家と羽柴秀吉が申し合わせて清須会議で承諾を得て、お市の方は柴田勝家と再婚することとなりました。
婚儀は、本能寺の変から4か月後に行われています。

そして、1583年には賤ケ岳の戦いがあり、柴田勝家は羽柴秀吉と対立していたが敗れてしまいました。
そして越前北ノ庄城に帰城したのですが、急追してきた秀吉によって城は包囲され猛攻を受けます。

落城前夜に、勝家は城を枕として切腹することを決めたのですが、お市の方に場外へと退去することを提案します。
ところが、お市の方はそれを拒み、勝家と一緒に自決することを決意したのです。

娘は秀吉の元へと届け、勝家とともに酒宴を開いて今生の別れとし、80余名で共に自害しました。
享年37歳で、その後城には火を放たれて焼け落ちました。

逃がした娘たちは、長女の茶々が豊臣秀吉の正室となり、次女の初は秀吉の計らいで浅井家の主筋である京極家当主、京極高次の元に嫁ぎました。
そして、三女の江は徳川秀忠の正室になりました。

まとめ

お市の方は、織田信長の妹であり娘が豊臣家や徳川家の正室となっている、この時代において重要な役割を持っていた人物です。
直接スポットが当たることはあまりないのですが、重要なストーリーの陰には頻繁に登場しています。
短い生涯ではありましたが、その人生は輝くものであったでしょう。
戦国を代表する美女であるお市の方について興味を持った方は、その生涯を詳しく知っておきましょう。

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